• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1996 年度 実績報告書

病原性ビブリオのヘム獲得機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08670307
研究種目

基盤研究(C)

研究機関岡山大学

研究代表者

三好 伸一  岡山大学, 自然科学研究科, 助手 (60182060)

キーワード病原性ビブリオ / ヘム化合物 / 受容体蛋白質
研究概要

1,Vibrio vulnificusは敗血症あるいは創傷感染症の原因となる病原性ビブリオである。このグラム陰性細菌がヘムを細胞内に取り込む場合,ヘム受容体を細胞表面に発現し,周囲のヘムを細胞に固定する必要があると考えられた。そこで,ヘム受容体に関する検討をまず行った。V.vulnificusはヘムの存在下で数種類の新規蛋白質を細胞表面に発現した。しかし,これらの蛋白質は,いずれもヘムとの親和性がなく,ヘム受容体としては機能できないことが示唆された。
2,この病原細菌は,周囲のヘム濃度に依存して,溶血毒素やプロテアーゼなどの病原因子の分泌量を増大させたが,ヘムと結合する菌体外因子は産生していなかった。したがって,本菌は菌体外因子の仲介無しにヘムを取り込むことが明らかとなった。
3,V.vulnificusL-180株を化学物質で処理することによって,ヘムの利用能力が消失した変異株が得られた。この変異株はヘム以外の鉄錯体は野生株と同程度に利用できた。よって,ヘムが特殊なシステムによって,この細菌の細胞内に取り込まれていると推察された。
4,V.vulnificusはヘマチンなどの天然のヘム化合物のみならず,人工的に合成したヘム化合物も細胞内に取り込んだので,本菌のヘム獲得システムが多種類のヘム化合物に対して適用できることが強く示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Okujo,N.: "Involvement of vulnibactin and exocellular protease in utilization of transferrin-and lactoferrin-bound iron by Vibrio vulnificus" Microbiol.Immunol.40. 595-598 (1996)

  • [文献書誌] Miyoshi,S.: "Characterization of a mutant of Vibrio vulnificus for heme utilization" FEMS Microbiol.Lett.146. (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi