研究課題/領域番号 |
08670308
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
岡部 昭延 香川医科大学, 医学部, 教授 (20093677)
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研究分担者 |
片山 誠一 香川医科大学, 医学部, 助手 (70169473)
松下 治 香川医科大学, 医学部, 助手 (00209537)
南 純三朗 香川医科大学, 医学部, 助教授 (40157566)
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キーワード | DNA結合タンパク / 遺伝子クローニング / ホスホリパーゼC / 細菌毒素 / ウェルシュ菌 / 分子生物学 |
研究概要 |
ガス壊疽の原因菌であるウェルシュ菌の主要な病原因子は、α毒素(ホスホリパーゼC)である。ホスホリパーゼCの遺伝子(plc)の発現は、プロモーター上流の折れ曲がりDNAと、コーディング領域へのDNA結合タンパクの結合による二重の調節を受けている。この調節の機構を明らかにすることは、ガス壊疽の病態を解明するために重要である。plc遺伝子結合タンパクの性状を明らかにするために、結合領域を含むDNA断片を用いたゲルシフト・アッセイを指標に、部分精製を行った。最終標品をSDS-PAGEで分画し、4種のペプチドをゲルから抽出し、各々についてDNA結合活性を調べたところ、56Kのペプチドが結合タンパクであることが明らかとなった。そのN末端アミノ酸配列を決定し、混合プライマーを合成し、ウェルシュ菌の染色体DNAを鋳型にPCRを行い、94bpのDNA断片を得た。これをプローブにして、6kbのEcoRI断片をクローニングした。塩基配列を決定したところ、N末端アミノ酸配列に一致する部位が確認された。この領域は54kのペプチドをコードしており、類似性検索により、この遺伝子はhemD-cysGCであることが判明した。この遺伝子をシャトル・ベクターにクローン化して、結合タンパクを欠損するstrain 13に形質転換し、そのextractを用いて、plc遺伝子結合活性を調べたところ、そのような活性は認められなかった。この遺伝子の発現が不十分であったか、あるいはクローニングした56Kのタンパクが目的の結合タンパクではなく、偶然同一の分子量を持つヘム合成タンパクが混在したためと考えられる。なお、折れ曲がりDNAについては、温度感受性の制御に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
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