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1996 年度 実績報告書

緑膿菌の薬剤排出ポンプを構成するサブユニット間のトポロジー

研究課題

研究課題/領域番号 08670319
研究機関東海大学

研究代表者

米山 裕  東海大学, 医学部, 講師 (10220774)

キーワード緑膿菌 / 多剤耐性 / 抗生物質 / β-ラクタム / 膜タンパク質 / 排出ポンプ / エネルギー依存性 / 能動輸送
研究概要

緑膿菌の多剤耐性に関わっている薬剤排出ポンプはmexオペロン(mexA-mexB-oprM)にコードされており、これら三種類の膜タンパク質が複合体を形成し薬剤を細胞質から外界へ直接排出するというモデルが提唱されている。筆者はこのMexポンプの薬剤排出機構を分子レベルで理解するために、本研究においてこれらのサブユニットに対する抗体を作成し、遺伝子置換法を用いて各サブユニットのみを欠失した変異株、さらにすべての組み合わせにおける二重及び三重変異株を作成した。そしてこれらの各サブユニットの役割を明らかにするために、各変異株に対する各種薬剤の感受性を検討した。その結果、(1)キノロン剤、クロラムフェニコール、テトラサイクリン、ゲンタミシンに対し、ΔA、ΔB、ΔAB変異株は親株より2-4倍感受性が上がった。一方、ΔM、ΔAM、ΔBM、ΔABM変異株は親株より4-16倍感受性が上がった。(2)β-ラクタム剤に対してはすべての変異株で感受性が上がったが、ΔA、ΔB、ΔAB変異株に比べΔM、ΔAM、ΔBM、ΔABM変異株でわずかに高感受性化していた。またこの感受性の上昇の程度はβ-ラクタム剤の構造に依存していた。
以上より、三種類のサブユニットが強固な複合体を形成してMexポンプが機能するというモデルではこれらの結果を説明することは困難であり、むしろMexポンプはMexA/MexB複合体とOprMが独立した機能ユニットとして働くことが示唆された。そしてMexポンプの薬剤排出機構として、細胞質からペリプラズムに薬剤が一旦排出されその後外界へ排出されるという2-ステップメカニズムが示唆された。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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