研究課題/領域番号 |
08670320
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
藤巻 わかえ 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (90256496)
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研究分担者 |
八木 淳二 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (70182300)
内山 竹彦 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (00050550)
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キーワード | 細菌性スーパー抗原 / T細胞 / 細胞内シグナル伝達機構 |
研究概要 |
スーパー抗原により誘導されるT細胞の免疫寛容における細胞内シグナル伝達の解析を行う目的で、以下の諸実験を行った。実験には、ヒト臍帯血、ヒト胸腺細胞(CD1a^-の成熟型胸腺細胞を分取)、ヒト末梢血より分離採取したCD4^+T細胞をスーパー抗原であるTSST-1で刺激し、得られた芽球化CD4^+T細胞を用いた。 1)細胞表面抗原については、いずれの細胞についても、CD3およびCD4は90%以上を占め、そのうち70〜90%がTSST-1反応性のVβ2陽性細胞であった。IL-2産生能は、ヒト末梢血で著明であり、ヒト胸腺細胞では末梢血の10分の1以下に低下、ヒト臍帯血では、胸腺細胞と末梢血の中間レベルであった。したがって、当教室の今西らが報告したとおり、成熟した胸腺細胞であっても、末梢血に比して免疫寛容状態にあることが再確認された。 2)1)で述べたようなbiologyをもつ芽球化T細胞をTSST-1で再刺激し、細胞内蛋白のチロシンリン酸化反応を検討した。刺激にともなってチロシンリン酸化をうける細胞内蛋白のパターンを検討したところ、臍帯血、胸腺細胞と末梢血で量的差異のある蛋白を認めた。現在、これらの蛋白の同定を行っている。 3)芽球化T細胞をTSST-1で再刺激し、テロメラーゼ活性およびテロメア長を検討した。テロメラーゼ活性はいずれの細胞においても著増し、有意差はみられなかった。また、テロメア長は無刺激状態の細胞ですでに差がみられ、刺激によるさらなる変化はみられなかった。
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