研究課題/領域番号 |
08670320
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
藤巻 わかえ 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (90256496)
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研究分担者 |
八木 淳二 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (70182300)
今西 健一 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (80124527)
内山 竹彦 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (00050550)
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キーワード | 細菌性スーパー抗原 / T細胞 / 細胞内シグナル伝達機構 |
研究概要 |
本研究の目的は、スーパー抗原により誘導されるT細胞の免疫寛容が、いかなる細胞内シグナル伝達機構の改変によって誘導されるのかを明らかにすることである。現在までの研究で、ヒトの臍帯血や胸腺細胞はヒト末梢血に比べてスーパー抗原刺激により免疫寛容になりやすいことが明らかとなった。この系を用いて、スーパー抗原刺激時の細胞内チロシンリン酸化や、それらの制御機構を、各種抗体によるimmunoprecipitationおよびwestern blot analysisにて検討した。 その結果、この3者の細胞で、TSST-1刺激に伴うCD3ζchainのチロシンリン酸化の程度に差を認めた。CD3ζchainは、T細胞内シグナル伝達において最も上流に存在し、本データのチロシシリン酸化の差は、T細胞の反応性の差を十分に説明しうるものと考えられる。このζchainのチロシンリン酸化に関るtyrosine kinaseの変動を検討中である。 以上の経過より、生体細胞におけるanergyは、cell line化されたT細胞でanergyの原因とされているシグナル伝達部位よりも上流部位も関与していることが明らかである。今後、cell lineにおける報告もふまえて検討していくことにより、免疫寛容のメカニズムの解明、さらに、同じTSST-1に起因するのにも関わらず予後が異なる2疾患---Toxic shock syndrome(TSS)とneonatal TSS-like exantahematous disease(NTED)---の発症機構の差の解明に迫れると考えている。
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