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1996 年度 実績報告書

大腸菌耐熱性エンテロトキシンIIの活性発現機序の解析

研究課題

研究課題/領域番号 08670326
研究機関徳島文理大学

研究代表者

岡本 敬の介  徳島文理大学, 薬学部, 教授 (70131183)

研究分担者 山中 浩泰  徳島文理大学, 薬学部, 講師 (30202386)
藤井 儀夫  徳島文理大学, 薬学部, 助教授 (60122587)
キーワード大腸菌 / 下痢 / 毒素 / 膜 / 立体構造 / 遺伝子操作
研究概要

毒素原性大腸菌が産生する耐熱性エンテロトキシンII(STII)は48個のアミノ酸から構成されるペプタイド毒素です。腸管壁に定着した大腸菌から産生されたSTIIは細胞表面上のSTIIのレセプターに結合し、結合が生じた細胞では、結合のシグナルをうけて細胞内でメディエーターが生合成されます。合成されたメディエーターは細胞のイオンバランスを乱し、下痢が発症すると言われています。しかしSTIIのレセプターや細胞内のメディエーターは明らかにされていないので、今回検討し、以下の結果を得た。
1)STIIには皮膚血管透過性増進作用や腸管以外の臓器への障害作用はなく、STIIの作用は腸管細胞に特異的であることを明らかにした。腸管細胞膜を可溶化し、STIIとの結合実験を行った結果、STIIが結合する分子量2万のタンパクを見いだした。調べた限り、STII以外の下痢毒素(STIやコレラエンテロトキシン)はこのタンパクに結合しないので、このタンパクはSTIIに特異的に結合するタンパクであることが判明した。
2)STIIを腸管に作用させると細胞内でのプロスタグランジンの生合成が活性化されること、またカルシウムの取り込み阻害剤やカルシウム-カルモジュリンの阻害剤がSTIIによる下痢を抑制し、STIIの作用をうけた腸管細胞ではカルモジュリン依存性キナーゼが活性化していることを明らかにした。これらの結果はSTIIが腸管細胞膜に変動をきたし、カルシウムの取り込みを促進し、その結果下痢を誘発していることを示唆している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Hiroyasu Yamanaka: "Amino acid residues in the pro region of Escherichia coli heat-stable enterotoxin I that affect efficiency of translocation across the inner membrane." Infection and Immunity. 64(7). 2700-2708 (1996)

  • [文献書誌] 岡本敬の介: "大腸菌耐熱性エンテロトキシンの生合成と成熟化過程" 日本細菌学雑誌. 51(3). 767-787 (1996)

  • [文献書誌] 岡本敬の介: "毒素原性大腸菌感染症" 化学療法の領域. 12(4). 75-80 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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