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1996 年度 実績報告書

ヒトヘルペスウイルス6の潜伏感染とその中枢神経系細胞に与える影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08670344
研究機関大阪大学

研究代表者

近藤 一博  大阪大学, 医学部, 助教授 (70234929)

研究分担者 多屋 馨子  大阪大学, 医学部, 助手 (80263276)
稲城 玲子  大阪大学, 医学部, 助手 (50232509)
キーワードヒトヘルペスウイルス6 / 潜伏感染 / 中枢神経
研究概要

本研究は、中枢神経系グリア細胞株を用い、HHV-6AおよびBの感染様式を検討し、中枢神経系細胞に対する、HHV-6の潜伏・持続感染性に関わる遺伝子を同定する事を目的としている。
今回、実験系の確立、及び生物学的な性状に関しては、以下の結果を得た。
i)グリア細胞株におけるHHV-6AおよびBの感染性を検討した結果、variant Aでは強い細胞障害性が見られ、variant Bでは、潜伏・持続感染が生じた。
ii)この潜伏・持続感染は、フォルボールエステル(TPA)及び、発熱因子であるIL-1βで再活性化が誘導できた。これは、この系が熱性痙攣とHHV-6の関係を解析するための良いモデルであることを示している。この現象の機序を解析するために、HHV-6調節遺伝子(前初期遺伝子)の同定が必要であるため、HHV-6感染細胞のcDNAライブラリーを作成し、この構造解析及cDNAを用いた機能解析を行っている。今回、得られた成果としては、
iv)前初期蛋白IE-A領域及びその周辺領域にはHHV-6と近縁のサイトメガロウイルス(CMV)と同様に、前初期タンパク室IE1,IE2が存在しする事を示した。さらに、この領域で発現する転写産物は、CMVに比し、複雑な転写産物の構造を持っていた。このことは、HHV-6がCMVよりも複雑な遺伝子調節システムをもつことを示唆している。
v)IE1,IE2のmRNAの発現を検討した結果、HHV-6AではIE1,IE2のmRNAが両者とも強く発現しているのに対し、HHV-6BではIE2のmRNAの発現が抑制されていた。これは、IE2の発現がHHV-6の完全増殖と潜伏感染を振り分ける因子の一つであることを示すと同時に、我々が得たCMVの潜伏感染の機序とは異なった機序によって、HHV-6Bのグリア細胞株における潜伏・持続感染が生じる事を示唆している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] KAZUHIRO KONDO et al: "Humen Cytomegalovirus latent gene expression in granulocyte-macrophage progenitors in culture and Seropositive individuals." Proceeding of the National Academy of Sciences U.S.A.vol.93. 11137-11142 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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