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1997 年度 実績報告書

フラビウイルスの粒子形成機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 08670354
研究種目

基盤研究(C)

研究機関(財)東京都神経科学総合研究所

研究代表者

向川 純  (財)東京都神経科学総合研究所, 微生物免疫, 主事研究員 (80229921)

研究分担者 保井 孝太郎  (財)東京都神経科学総合研究所, 微生物免疫, 参事研究員 (90073080)
キーワードフラビウイルス
研究概要

日本脳炎ウイルス(JEV)のエンベロープを構成する2種の糖蛋白質(prM,E)は、ER膜においてウイルスポリプロテインから宿主のシグナラーゼによる切断を受けて作成され、安定なヘテロダイマーを形成し細胞内を輸送され細胞外へ放出されることを我々は明らかにしてきた。本年度はこれらの糖蛋白質と宿主の分子シャペロンとの相互作用について解析を行い以下のことを明らかにした。
1、prM,EはERにおいて複合体を形成するがその細胞内輸送は比較的遅い。
2、prMのC末端のターン構造を喪失させてもprMとEは複合体を形成するが、その複合体はERにとどまり、golgiへは輸送されず次第に分解される。
3、prM,EはERに局在する分子シャペロンのcalnexin、bipと結合する。
4、prM、Eとbipとの結合は短期間であったが、calnexinとの結合は長期間である。prMのC末端のターン構造を喪失させるとcalnexinとの結合は短期間となる。
5、BrefeldinAで糖蛋白質のERからgolgiへの輸送を阻害すると、calnexinとprM,Eとの相互作用は短期間となる。
6、同じフラビウイルスに属するデング熱ウイルスでも同様の結果が得られたがパラインフルエンザウイルスに属するセンダイウイルスの糖蛋白質ではこの様な結果は得られずcalnexinとの相互作用は短期間であった。
これらのことから、フラビウイルスの糖蛋白質であるprM、Eの細胞内輸送は比較的遅く、prMのC末端に存在するターン構造がprM、Eの細胞内輸送、特にERからgolgiへの輸送に重要な役割を示していて、prM、EがERに留まると次第に分解されると考えられた。またcalnexinとの安定な相互作用がprM、Eの細胞内輸送に重要な意義を持つことが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Y.Shishido: "Assembly of JC virus-like particles in COS7 cells." J.of Medical Virology. 51. 265-272 (1997)

  • [文献書誌] T Ito: "Cultivation of hepatitis C virus in primary hepatocyte culture from patients with chronic hepatitis C results in release of high titre infectious virus" J.of General Virology. 77. 1043-1054 (1996)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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