研究概要 |
マウスT細胞ハイブリドーマが産生する天然型MNSFを抗リコンビナント型MNSFに対する抗体を利用して大量に純化した。BALB/cマウス脾細胞のT細胞ライセ-トからMNSFを二つのサブユニット(MNSFα,MNSFβ)に解離させるイソペプチダーゼを陰イオン交換クロマトグラフィー(DE52)およびゲル濾過(GSW3000)により精製した。本イソペプチダーゼは天然型70Kd-MNSFをT細胞受容体α鎖(TCRα)に関与した62Kdのポリペプチド(MNSF)と8KdのMNSFβに解離させる活性を有していた。MNSFβに対するcDNAは既に単離済みなので、MNSFαcDNAのクローニングのため、N-末端配列を自動アミノ酸配列解析装置により6残基決定した。推定されるミックス・オリゴマーを作製し、T細胞cDNAライブラリーから目的のcDNAをRapid Amplification cDNA End(RACE)法によるPCRにて増幅した。更に、Dye Teminator Cycle Sequencingにより塩基配列を一部明らかにし、MNSFαがこれまでに報告のない新しいポリペプチドであることを確認した。現在、全塩基配列を決定中である。またイソペプチダーゼについては、さらに純化を進めており、そのcDNAクローニングも準備中である。 MNSFの作用機構については、その情報伝達の早期にセリン・スレオニンのリン酸化が関与していることを明らかにし、インターフェロンγ(IFNγ)との間にクロストーキングが見られることを証明した。
|