研究課題/領域番号 |
08670379
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | (財)東京都神経科学総合研究所 |
研究代表者 |
矢倉 英隆 (財)東京都神経科学総合研究所, 微生物学・免疫学研究部門, 参事 (60166486)
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研究分担者 |
片桐 達雄 (財)東京都神経科学総合研究所, 微生物学・免疫学, 主事研究員 (00233742)
荻本 真美 (財)東京都神経科学総合研究所, 微生物学・免疫学, 主事研究員 (80158609)
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キーワード | チロシンホスファターゼ / WEHI-231 / シグナル伝達 / PEP / 核移行 / Csk / アポトーシス |
研究概要 |
B細胞シグナルを制御している新たなチロシンホスファターゼの同定を目的として、これまで研究を進めてきた。その結果、WEHI-231とBAL-17の抗原レセプター刺激後にPEST領域を持つPEPという細胞内型チロシンホスファターゼのmRNA発現が3時間から12時間にかけて誘導されること、この酵素は大部分細胞質内に存在するが、抗原レセプター刺激後3時間から核内で誘導されること、さらにこの誘導はPKCを消費した後では認められないことなどが明らかになった。これらの結果をもとに、PEPの誘導が抗原レセプターシグナルに直接的な関与しているのか、単なる随伴現象であるのかについて検討する目的で、アンチセンスPEPcDNAをWEHI-231細胞に導入して解析した。アンチセンスPEPクローンでは、細胞質での発現は30%程度の抑制しか見られなかったが、核内での発現は70%〜90%抑制されていた。興味深いことに、アンチセンスクローンでは、抗原レセプター刺激により誘導される増殖抑制、アポトーシスが解除されることが明らかになった。これらの結果は、PEPの発現が抗原レセプターシグナルに必須な役割を担っている可能性を示唆している。現在、PEPがどのような分子と共同して機能しているのかを明らかにするために、yeastのtwo-hybrid systemを用いてPEP結合蛋白の検索を進めている。同時に、substrate trappingの手法を用いた基質の同定も準備中である。
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