研究課題/領域番号 |
08670385
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
熊谷 嘉人 筑波大学, 社会医学系, 講師 (00250100)
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研究分担者 |
武田 志乃 筑波大学, 社会医学系, 助手 (00272203)
下條 信弘 筑波大学, 社会医学系, 教授 (00080622)
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キーワード | 水銀 / 一酸化窒素合成酵素 / 毒性 / 発現変動 |
研究概要 |
1)Wistar系雄性ラットに塩化メチル水銀(10mg/kg/day)を8日間連続投与した後、初回投与の1、2、5および8日後に得た大脳および小脳をサンプルとした。その結果、一酸化窒素合成酵素(NOS)活性が投与後8日目において、大脳では1.7倍、小脳では1.4倍有意に上昇した(前年度報告)。この現象がNOS分子種(神経型および誘導型)のメッセンジャーRNAあるいはタンパク質含量の増加に起因するか否かを明かにする目的で、RT-PCRおよびイムロブロット分析を試みた。その結果、塩化メチル水銀投与による常在的に発現している神経型NOSのメッセンジャーRNA量の変動は見られず、誘導型NOSの発現誘導も殆ど観察されなかった(この事実はタンパク質レベルにおいても確認された)。一方、神経型NOSのタンパク質含量の変動は酵素活性のそれと良く一致した。 2)Wistar系雄性ラット小脳(35g)の20,000g上清を酵素源として、DEAE-Sephacel column、2'5'-ADP Sepharose columnおよびCaM Sepharose columnを用いて神経型NOSの単離・精製を行った結果、0.03mgの電気泳動的(分子量:164kDa)に単一の酵素標品が得られた(比活性:364nmol/mg/min)。本精製法は再現性が高く、一定の精製酵素標品が回収された。 3)カイコ/バキュロウイルス発現系を用いて神経型NOSの大量発現系の構築を試み、組換えウイルス感染後のカイコ幼虫の脂肪体に神経型NOSが対照群に比べて著しく発現していることを明かにした。
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