研究課題/領域番号 |
08670395
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田中 恵太郎 九州大学, 医学部, 助手 (50217022)
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研究分担者 |
徳永 章二 九州大学, 医学部, 助手 (50227584)
清原 千香子 九州大学, 医学部, 講師 (00169963)
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キーワード | 肝硬変 / 肝細胞癌 / C型肝炎ウイルス感染 / 遺伝子型 / 追跡研究 |
研究概要 |
本研究は、肝硬変患者を長期間追跡して肝細胞癌発生を把握する事により、肝硬変から肝癌への進展因子、特にC型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型との関連を検討する事を目的とした。対象者は、1985年12月〜1988年5月に九大病院を受診した肝硬変患者100名(この内75名について血清を凍結保存)であり、これらの対象者を1995年12月まで追跡する予定である。初年度である本年度は、まず対象者の保存血清について、第二世代抗HCV抗体・HCV遺伝子型・血中HCV-RNA量の測定を行った。抗HCV抗体は、immunoradiometric assay・recombinant immunoblot assayで73%に陽性であり、RT-PCR(Amplicor)により抗HCV抗体陽性者の80%にHCV-RNAが検出された。HCV genotypeは、RT-PCRでは1b(89%)・2a(9%)・2b(2%)の順に多く、一方血清型(イムチェック)ではgenotype 1(73%)・genotype 2(14%)・判定保留あるいは不能(13%)の順であった。両方法で42名がgenotype 1、10名がgenotype 2と判定された。HCV-RNA検出者45名中、血中HCV-RNA量(Quantiplex)の中央値は2.7Meq/mlであり、検出限界未満(<0.5Meq/ml)が11%、10Meq/ml以上の多量検出者が22%を占めた。次に、九大病院の診療記録を調査する事により、肝癌発生状況を調査した。追跡可能であった範囲で、内科受診者62名中23名(37%)・外科受診者38名中9名(24%)に肝癌発生を認めた。約半数の者が完全には追跡できず、戸籍照合による生存状況・死因の把握の準備を進めている。全体として、調査は順調に進行しており、詳細なデータ解析は次年度に行う予定である。
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