研究課題/領域番号 |
08670403
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
菊地 正悟 順天堂大学, 医学部, 講師 (40224901)
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研究分担者 |
稲葉 裕 順天堂大学, 医学部, 教授 (30010094)
和田 攻 東京大学, 医学部, 教授 (60009933)
黒沢 美智子 順天堂大学, 医学部, 助手 (70245702)
山城 雄一郎 順天堂大学, 医学部, 助教授 (10053159)
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キーワード | ヘリコバクター・ピロリ / 唾液中IgG抗体 / 小学生 / 中学生 / 年長の同胞数 / 胃潰瘍 / 十二指腸潰瘍 / 集団生活 |
研究概要 |
平成7年度に小学1年生であった310人と、中学2年生であった300人から、平成7年6月と平成8年6月の2回唾液を摂取した。同時に保護者に質問票を配布して記入してもらった。唾液はCortecs社(英)製のキットHELISALを用いてヘリコバクター・ピロリに対するIgG抗体の濃度を測定し、平成7年と8年の2回とも抗体価1.10以上であった例をヘリコバクター・ピロリ陽性とした。 ヘリコバクター・ピロリ陽性は小学生では19例、中学生では5例で、陽性率はそれぞれ6.1%、1.7%であった。陽性と関連の認められた要因は、年長の同胞数、母親の胃疾患の既往、小学校入学以前の集団生活の長さであった。年長の同胞数は2以上と1人以下で比較したもので、小学生でのみ関連が認められた。陽性率は2人以上の同胞がいる例では、13.3%、1人以下では4.5%であったが、中学生ではそれぞれ2.1%と1.6%で有意差は認められなかった。母親の胃潰瘍または十二指腸潰瘍の既往は中学生でのみ関連が認められた。陽性者は母親の既往のある例では8.6%ない例では0.8%であった。小学生ではそれぞれ12.5%と5.6%で有意差は認められなかった。父親に胃潰瘍または十二指腸潰瘍の既往がある例とない例では中学生の陽性率は4.1%、1.3%、小学生では6.1%、5.4%でいずれも有意差は認められなかった。小学校入学前の集団生活の期間をヘリコバクター・ピロリ抗体陽性者と陰性者で比較すると、小学生ではそれぞれ42.6ケ月と35.5ケ月、中学生ではそれぞれ58.8ケ月と31.5ケ月でいずれも有意差が認められた。 小児科の患者約80例から唾液と血液を採取したので、そのデータと合わせてカット・オフ値の再検討などの分析を進めている。
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