研究課題/領域番号 |
08670409
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | (財)労働科学研究所 |
研究代表者 |
川見 正機 財団法人労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (80153005)
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研究分担者 |
海老原 勇 財団法人労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (80124311)
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キーワード | 有機リン系殺虫剤 / クロルピリホス / ジクロフェンチオン / 胸腺細胞サブセット / 胸腺萎縮 / アポトーシス / 免疫毒性 |
研究概要 |
有機リン系殺虫剤であるクロルピリホス(CP)、ジクロフェンチオン(ECP)は白蟻駆除剤、農業用殺虫剤として使用される。これら薬剤のコリンエステラーゼ阻害については知られているものの免疫系への影響についての報告は少ない。そこで、免疫毒性における標的臓器の一つとされる胸腺に着目し実験的検討を行った。 雄F344/jclラットを馴化後、6週令で使用した。飼育は、温度23±2℃、湿度50±5%、12時間昼夜、餌、飲水は自由摂取とした。投与は、CP及びECPをコーン油に溶解し7日間の連続経口投与とし、併せてvehicle controlを設定した。最終投与24時間後、麻酔下にて血液を採取、胸腺、脾臓を摘出した。なお、胸腺細胞サブセットの測定にはフローサイトメトリーを使用した。得られた主な結果は、(1)CP、ECPともに高濃度投与群において体重の抑制傾向が認められ、脾臓重量において、CPでは軽度低下傾向が、ECPでは濃度依存的な低下傾向が認められた。(2)胸腺重量では、CP、ECPともに高濃度投与群において有意な低下を認め、とくにECPでは著明な胸腺萎縮を示した。(3)胸腺細胞サブセットでは、CP、ECPともに濃度依存的に未熟細胞とされるdouble positive CD4+CD8+細胞比率の減少と、相対的なsingle positive細胞の増加が認められた。(5)胸腺萎縮発現が顕著であったECPの病理像では胸腺皮質領域の狭小化と相対的な髄質領域の拡大が認められ、皮質領域の細胞密度の低下を呈し皮質リンパ球の脱落を認めた。 胸腺におけるT細胞系列の分化誘導にはアポトーシスの過程が関与するとされる。本実験では皮質胸腺細胞であるdouble positive細胞が、CP、ECP投与にともなって感受性を示した。これは、胸腺におけるアポトーシスの亢進状態が誘導されたのではないかと推察された。
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