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1998 年度 実績報告書

有機リン系殺虫剤における胸腺アポトーシス誘発性と免疫毒性発現に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08670409
研究機関(財)労働科学研究所

研究代表者

川見 正機  労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (80153005)

研究分担者 海老原 勇  労働科学研究所, 研究部, 主任研究員 (80124311)
キーワード有機リン系殺虫剤 / クロルピリホス / ジクロフェンチオン / 胸腺細胞サブセット / アポトーシス / 胸腺萎縮 / 免疫毒性 / 胸腺微小環境
研究概要

有機リン系殺虫剤における、免疫毒性発現の標的臓器とされる胸腺に着目し、実験的検討を行った。これら薬剤投与にともなう胸腺細胞、未梢血、脾臓リンパ球細胞のフローサイトメトリー解析に引き続き、胸腺萎縮発現と胸腺微小環境との関連性について免疫組織化学的な検討を加えた。
雄F344/jclラットを1週間の馴化側育後、6週令で使用した。有機リン系殺虫剤は、クロルピリホス(CP)、ジクロフェンチオン(ECP)として文献的LD50値から高、中、低用量を設定し、併せてvehicle controlを設定した。免疫組織染色はABC法に準じた。
有機リン系殺虫剤投与にともなう胸腺萎縮発現と胸腺微小環境との関連において、1)相対的な胸腺重量と体重との比率では、CP.ECPともに高用量川:において有意な減少を認め、ほぼdose dependentな減少傾向を示し、胸腺萎縮を発現した。2)著名な胸腺萎縮を認めた高用量ECPでは、H.E.染色とともにUEA-1抗体(ハリエニシダ凝集素)染色において、胸腺皮質領域の狭小化と胸腺髄質領域の相対的増加が認められた。3)胸腺微小環境では、胸腺皮質領域の増殖性細胞(PCNA抗体陽性細胞)、CD4+CD8+陽性細胞の減少が認められた。また胸腺皮質上皮細胞(MHC class RT-1B陽性細胞)の網目構造は狭小化を示し、網目構造に内包する胸腺細胞の減少を推察させた。4)胸腺皮質領域の胸腺細胞の減少とは異なり、皮質領域のアポトーシス様小体を内包する肥大化したマクロファージ(ED-1抗体陽性細胞)の数的増加を認め、アポトーシス細胞の貧食亢進が伺われた。5)こ11らは、とくに著明な胸腺萎縮を認めたECPでは、ECP投与にともなう胸腺皮質領域における胸腺細胞のアポトーシス亢進が誘導され、結果的に著明な胸腺萎縮を発現したものと推察された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 川見 正機,海老原 勇: "有機リン系殺虫剤投与にともなう胸腺萎縮発現に関する研究" 産業衛生学雑誌. 40. 463 (1998)

  • [文献書誌] 川見 正機,海老原 勇他: "有機リン系殺虫剤投与にともなう胸腺萎縮発現と胸腺微小環境" 日本農村医学会雑誌. 47(3). 279 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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