DNAレベルで捉えた遺伝的負荷を含めて骨粗鬆症のリスクを的確に把握し、それに見合った対策を開発することを目的に、申請者らが追跡を始めて満6年になる福井県下某地域在住の中高年女性約200人に対して以下の調査を行い、満足のいくデータを得た。 1.骨密度の測定 Dual-energy X-ray Absorptiometryにて、第1〜4腰椎正面、大腿骨頚部、前腕骨の骨密度を測定した。 2.DNAの解析 採取した血液よりDNAを現在抽出中である。Vitamin DとEstrogenの受容体遺伝子多型の決定に必要なシステムは既に立ち上がり、予備的実験を終了した。 3.既往歴、家族歴、Lifestyleについての面接調査 対象者の母と祖母の骨折と亀背、腰曲がりの状態、食生活、喫煙・飲酒歴、運動習慣、労働状況などのLifestyleを詳細に聴取した。 4.骨代謝指標の測定と評価 対象者の血清中Osteocalcine、骨型AIP、並びに尿中Pyridinoline-、Deoxypyridinoline、Hydroxyprolineを測定した。 5.筋力・体力測定 体幹の屈曲、伸展につき、等速性収縮時の遠心性、及び求心性最大筋力を本学現有のKin-Com500F(Chattecx社製)にて、また、肘関節と膝関節の屈伸時の等速性求心性最大筋力を本学現有のCybex-ll+(Lumex社製)、及びその他の体力指標を測定した。 平成9年度第1四半期にはDNAの抽出を完了し、第2四半期にはVitamin DとEstrogenの受容体遺伝子多型を決定する。同時に他のデータのデータベース化を行い、第3四半期から第4四半期には分析を終了し、報告書を執筆する予定である。
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