本年度は、初年度計画に基づき、ハンセン病療養所入所者の精神的健康状態と身体的健康状態および生活の社会的側面との関連を明らかにすることを目的として、健康と生活についての調査票の作成、プリテストの実施、調査票の内容の検討、調査の実施および結果の検討を行った。研究方法は、以下の通りである。 調査期間は、平成8年7月15日から8月6日であった。調査対象は、奄美和光園(鹿児島県)、星塚敬愛園(鹿児島県)および沖縄愛楽園(沖縄県)の3カ所の国立ハンセン病療養所の入所者全員で、健康と生活についての調査票を自記式調査法で、配布回収して実施した。尚、視力障害などで自記式で記入が困難な場合は、調査員が聴取し、調査票に記入した。 回収状況は、対象者823名のうち、653名(79.3%)から回答を得られた。回答の得られなかった対象者は、病状悪化などの心身状態の理由で回答不能な者が56名(6.8%)、旅行などの不在による者が22名(2.7%)、回答拒否者は92名(11.2%)であった。 回答内容を解析検討した結果、一般健康質問紙General Health Questionnaire(GHQ)で測定した精神的健康状態が身体的健康状態および生活の社会的側面に関連することがみられた。今後、GHPで測定した精神的健康状態とThe Delighted Terrible Scaleで測定した生活満足度を、各調査項目とクロスさせてその関連を検討する。また、性別、年齢別に検討する。
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