初年度計画に基づき、ハンセン病療養所入所者の精神的健康状態と身体的健康状態および生活の社会的側面との関違を検討することを目的とした。本年度も、平成8年度に引き続いて、健康状態と療養生活に関する調査票を用いて、自記式アンケート調査を実施した。 調査期間は、平成9年8月4日から8月8日であった。調査対象者は、国立ハンセン病療養所松丘保養園(青森県)の入所者全員であった。尚、視力障害などで回答が困難な場合は、調査員が聴取し、調査票に記入した。 回収状況は、対象者291名のうち、223名(86.4%)から回答を得られた。回答の得られなかった対象者は、病状の悪化などの心身状態の理由で回答不能な者が33名(I2.5%)、旅行などの不在による者が5名(1.9%)、回答拒否者は2名(1.0%)であった。 回答内容を解析検討した結果、一般健康調査票 General Health Questionnaire(以下、GHQ)で測定した精神的健康状態は、Activities of Daily Living(以下、ADL)および一日の過ごし方と関連していることが、男女で認められた。一方、The Delighted Terrible Scaleで測定した生活満足度との関連では、ADLの項目によって、男女で関連の強さは異なっていた。
|