研究概要 |
1.研究目的 被爆者高齢者の個人的,家族的ならびに社会的背景,精神的健康度を調査し,被爆高齢者のライフスタイルを把握する。さらに3年後の死亡状況を調査し,ライフスタイルと生命予後の関係を解析する。 2.進捗状況 1)個人の家族的,社会的背景および精神的健康度を把握するためのアンケート調査を実施した。 2)平成4年に実施した健康調査対象者の4年間の死亡を用いて,ライフスタイルとの関連を解析した。死亡に影響を与える要因は次のようであった。喫煙する者はしない者に比べ死亡率が高い。主観的健康度の悪い者は死亡率が高い。精神的健康度の低い者は死亡率が高いであった。 3.学術上の問題点 ライフスタイルと生命余後との関連を分析するためには死亡を観察する必要がある。本調査実施から観察可能な期間は1年であり、死亡との関連を分析するには短い。これに対する対策としては、研究期間終了後も継続して調査対象者を追跡する必要がある。 4.次年度の計画 今年度,収集したアンケート調査のデータ解析を行う.対象者の性・年齢分布や性・年齢別の身体的健康度、ライフスタイルおよび家族的,社会的背景について分析すると共に被爆状況別でも同様に検討を行う。また,生命予後との関連についての予備的解析として,健康診断から得られる身体的健康度とライフスタイルの関係を分析するさらに家族的,社会的背景および精神的健康度とライフスタイルとの関連を明らかにする。
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