研究概要 |
1, マッピング過程の簡略化に関する検討;長崎県佐世保市のK小学校4,5,6年生(計200余名)を対象に、環境認識マップの作成手順を更に検討し、児童個々人の相互理解が生まれると同時に、児童が意見をその場で相互に交換することで、環境に関する集団的な理解を高めることを試みた。 (1) K小学校1回目調査; 平成9年度と同様して、各児童はキーワードを個人別に設定した後、キーワードを自分自身が感じる大切さで横軸方向に配列した。次に他者が感じる大切さを縦軸として展開し、二次元マップを作成した。マップを自分で読み取ることで、自分の立場からの自分、および他者の価値観の位置づけを行った。 (2) K小学校2回目調査; 児童はまずキーワード設定と横軸方向への配列を行った(ここまでは1回目と同様)。その後、直ぐに周囲の児童と図を交換し、互いに配列を比較し、異同を確認すると共に相互に質問を行った。 以上二つの方法を試行し、比較した結果、2回目の簡略化した方法によって、マップ作成に至らなくても、児童の相互理解に基づいた環境認識の迅速アセスメントは十分に可能であることが示された。 2. マッピングによる環境認識の縦断的な比較; 初年度に調査した明石市A小学校を対象として、2年後に同小学校を再度訪問し、前回のマップを用い、個々の児童に2年間の認識変化を自己評価してもらった。特に小学校4年生から6年生になる過程で、前回の子供らしいマップを否定的に捉える傾向が一部の児童に認められた。 3. 上記の結果を総合し、環境認識を参加的に迅速評価する為の手順を確定し、説明用小冊子を試作した。
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