3地域〔札幌市(中央区・北区)、夕張市、鷹栖町〕の高齢者の検診受診行動と関連するソーシャルサポート・ネットワークおよび他の要因の状況を調査した。検診受診群・非受診群間で以下の主な項目で有意差が得られた。1.ソーシャルネットワークに関連する項目として、(1)男性では、1)普段の外出頻度、2)選挙に出向く頻度、(2)男性・女性ともに、1)団体加入関係および活動状況、2)行った活動数、3)公共サービスの利用、4)行政の広報誌、5)政治への関心。2.ソーシャルサポートに関連する項目としては、(1)男性では、1)サポートの提供、2)親密な親戚の有・無、3)近隣との付き合いの度合い、4)趣味・生きがいの有・無、(2)女性では、1)手段的サポートの有・無、2)子供との電話のやりとりの程度、3)健康に対する不安感の有・無、(3)男女ともに、1)親友の有・無。3.その他の要因として(1)男性では、1)学歴、2)喫煙習慣、3)主観的自己健康状態、4)手段的ADL、5)身体的ADL、(2)女性でが、1)この3カ月間の外来受診、2)視力、(3)男女ともに、1)現在の仕事の有・無など。 さらに、次代のソーシャルサポートが期待される高校生を対象として、高齢者や障害者に対する援助志向、共生感を把握するため、調査を行った。結果は以下のとおり。1.高齢者や障害者への援助経験があるのは全体の約3割りで女子が有意に多かった。2、親の老後について親と話すことがあるのは約1/3で女子が有意に多かった。将来、親と同居したいと思っているのは約1割前後で女子が有意に多かった。3.自身が障害者になったり老後が要介護になった場合は、約1/3が施設を考えていた。 4.介護や介助ボランティアについて機会があれば喜んでしたいという者は1割強〜2割で、有意な男女差がみられた。5.男女間ほどではないが地域間の有意差も認められ、大都市の札幌よりも夕張や鷹栖で援助にポジティブな回答が多かった。
|