研究概要 |
寝たきり度モニタリングシステムの開発と研究-介護福祉総合研究と新介護システムに向けて- 介護保険法により、要介護者の要介護度(要介護状態区分等)に基づくケアマネジメント・ケアプランの策定による基本的構築が実施されます。要介護度の基準は障害モデルにより設定され、特に個別性に応じた介護支援状態と家族介護評価を判定するのは困難である。介護度を、介護モデルにおける要介護者の介護支援状態の指標として数量化した。さらに家族介護評価表を家族介護要因から開発し比較検討した。 【対象と方法】介護度を介護モデルから、関わり度・困難度・必要度の相互関係より、介護度=困難度X平均(関わり度+必要度)と設定した。対象は、在宅介護に主体的に関わった保健福祉職種別の要介護者の人数として、ホームヘルパー170事例、訪問看護ステーションの看護職201事例による総対象371事例から、その対照は特養寮母394名と介護度を比較分析した。家族介護評価表を、(1)知識技術、(2)意欲、(3)家族関係、(4)体カ、(5)時間の5要因を4段階評価した。その対象は要介護者225事例のうち、1年6ケ月間に訪問リハビリの完了できた10事例と訪問リハビリ継続中の16事例等の家族介護評価を比較検討した。介護度の調査内容は、80項目の介護支援を基にして、要介護者別の介護支援内容への関わり度・困難度・必要度を調査した。その介護支援を更に6種類(生命、生活、ケアマネジメント、医療、末期、在宅)にまとめた。関わり度・困難度・必要度は、6段階評価にて、回答値の平均値を代表値とみなした。統計解析は、SPSS(SPSS 6.1J,Norusis SPSS Inc.)で多変量解析をした。 【結果と考察】ホームヘルパーは、訪問看護と相関係数が0.659と中等度の正の相関を示した。特養寮母とは、ホームヘルパー(0.517)と訪問看護(0.362)と若干の正の相関を認めるも、すべての介護支援業務について介護度が低値であった。介護度は、ホームヘルパーはケアマネジメント、生命が主体でり、訪問看護は情報、医療が主体であった。ホームヘルパーは、在宅とケアマネジメントにおいて訪問看護に比較して有意に高値であった。ホームヘルパー・訪問看護は共に、生命・生活・医療において、特養寮母に比し有意(p<0.01)に低値であった。 家族介護評価による訪問リハビリの完了の有無との関係については、介護の知識技術については、有意差(p<0.01)を認めた。しかし、介護意欲、家族関係、介護者の体力、時間的余裕においては有意差は認めなかった。社会的介護支援により、さらに介護者の介護に関する知識技術の向上によって、要介護者の家庭内自立の可能性が示唆された。
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