研究概要 |
動物実験としてラット(Wistar Imamichi),マウス(BALB/c)を用いた.apoptosis誘導のため侵襲としてdexamethasone(以下DE),ホルマリン投与,放射線照射(以下R)を行った.3-5Wのラット及びマウスに0.1mg/mlのDE(1,2,4mg/Kg)または2.5%ホルマリン(0.05ml/10g)を腹腔内に注射した.Rは5Gyまたは10Gyを照射した.6時間から3日経過後,麻酔下において開胸し心放血によって屠殺し,諸臓器を摘出した.死後0から24時間の範囲でparaformaldehydeを用いて固定し,paraffin切片を作成し,H-E染色,TUNEL法またはp53抗原の免疫組織染色を行った.apoptosisはH-E染色では核の濃縮と濃染として確認されるが,これは強侵襲動物群の主に胸腺皮質・髄質,脾臓,精巣において観察され,他の臓器や弱侵襲動物群では軽度に認められた.侵襲の種別ではR群で再現性のよいapoptosisが誘発された.TUNEL法およびp53免疫染色では死後0時間固定の組織では明瞭に確認できるが,死後経過により陽性細胞数は増加するものの,染色性は不明瞭となる傾向が見られた.今後検体数を増やし,死後変化のもたらす影響を定量化する予定である.今後の課題として,fas等の他の抗原の検出と解剖検体への応用にあたりapoptosis検出の至適条件に関する検討があげられる.
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