研究課題/領域番号 |
08670479
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
内藤 笑美子 新潟大学, 医学部, 助手 (80018811)
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研究分担者 |
出羽 厚二 新潟大学, 医学部, 助教授 (10197832)
山内 春夫 新潟大学, 医学部, 教授 (30134919)
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キーワード | 性別判定 / 女性判定法 / 不活性X染色体 / PGK遺伝子 / メチル化 / PCR |
研究概要 |
我々はX染色体上にあるDXZ24領域のDNAメチル化に性差があることに注目し、PCR法を用いて積極的に女性と判定する方法を報告した。しかし,この方法では3kbの繰り返し単位を判定部位としており、少なくともこの部分の配列が無傷で存在していなければならない。そのため、高度に分解を受けたDNA試料では判定が困難であった。そこで、もっと短い300bp以下のDNAをPCRターゲットとした女性判定法を検討し、女性判定法の確立を目的とした。 本研究では、X染色体上のPGK (Phosphglycerate kinase)遺伝子内の226bpのDNA配列をターゲットとする女性判定法について検討した。この方法ではゲノムDNAをメチル化感受性酵素Hap IIで消化したあとPCRを行うと、女性だけが有する不活化X染色体ではその部位がメチル化されているため切断がおこらず女性のみにPCR産物が検出される。実際に、(1)健常男性および女性の血液から抽出した新鮮なDNAについて約150ngのDNAから確実に性別判定を行うことができた。また、(2)一本の新鮮な毛根を含む毛髪から性別判定が可能であった。(3)さらに約3年経過した毛髪の鑑定にこの方法を応用したところ、毛根を含むDNAの保存された試料では性別が判定された。一方、本方法では、Hap II消化の不完全な場合が問題となる。そこで、同じ部位についてメチル化と関係なく反応するMsp I消化を別のPCRチューブ内で同時に行い、Hap II消化とPCR産物量を比較し、判定している。本研究ではHap II消化がうまくいっているかどうか、一本のPCRチューブ内で確認できるよう、コントロールとなるHap II siteを検索した。これまでのところ、vWF遺伝子のプロモーター領域1カ所とABO遺伝子のCpGアイランド内2ヶ所についてプライマーをデザインし検討したが良いHap IIコントロールとなり得ないことが判った。今後さらに検討を要する。
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