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1996 年度 実績報告書

胸腺のアポトーシス所見からみた乳幼児虐待の証明

研究課題

研究課題/領域番号 08670496
研究機関札幌医科大学

研究代表者

森田 匡彦  札幌医科大学, 医学部, 教授 (00045353)

研究分担者 美作 宗太郎  札幌医科大学, 医学部, 助手 (50284998)
安積 順一  札幌医科大学, 医学部, 講師 (00045551)
舟山 眞人  札幌医科大学, 医学部, 助教授 (40190128)
キーワード被虐待児症候群 / 胸腺 / パラフィン包埋 / アポトーシス / TUNEL法 / アポトーシス関連抗体
研究概要

本研究では被虐待児症候群の範疇に入ると思われる乳幼児死亡11例と、それ以外の乳幼児急死25例について、胸腺のホルマリン固定パラフィン切片を作成、Nick end labeling法(TUNEL法)やアポトーシス関連抗体(抗bc1-2抗体、抗Le^Y抗体)を用いたアポトーシス所見を比較した。特にTUNEL法では、被虐待児症候群のほとんどの症例でマクロファージ(Mφ)の貪食顆粒が強く陽性に染色されたほか、6例では胸腺のほぼ全域にわたる多数の陽性細胞の出現を認めた。一方、対照群ではMφの貪食顆粒が陰性を示す例も多く(9例)、またMφ以外の細胞が多数陽性に染色された事例は5例にとどまっていた。このようにTUNEL法で比較した結果、被虐待児症候群事例に陽性所見の出現が目立ったが、検討すべき点も残された。特に強い陽性所見を示す例は、実質細胞だけではなく血管内皮や腺維細胞を含む間質全体やハッサル小体も強く染まっていること、陽性細胞の多くは核濃縮などの典型的なアポトーシス所見を示していないこと、陽性細胞が全くない事例の存在、などから単に死後変化の影響を含む非特異的反応をみている可能性もある。また対照例の設定にも問題が残された。これは各年齢層ごとの集積の困難さだけではなく、他殺例(single homicide)や病死例の総てが、死に至るまで殆どストレス状態にはなかった、ともいえないだろう。たとえば対照群にも貪食顆粒を持つMφをみる"starry-sky"所見が目立つ事例が含まれていたが、これもストレスの影響で出現すると言われている。このように胸腺のホルマリン固定バラフィン切片からTUNEL法やアポトーシス関連抗体を用いて被虐待児症候群の評価を行うには更に多数の症例の蓄積が必要であると考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Funayama M.: "An autopsy case of abandoned infant body with severe destruction" Jpn.J.Legal Med.50・2. 92-97 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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