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1996 年度 実績報告書

乱用薬物コカインとアルコールの相互作用に関する神経化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08670498
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都府立医科大学

研究代表者

上村 公一  京都府立医科大学, 医学部, 助手 (30244586)

研究分担者 吉本 寛司  京都府立医科大学, 医学部, 講師 (70111903)
キーワードアルコール嗜好性 / コカイン / マウス
研究概要

コカインをマウスに投与し、アルコール嗜好性・脳内モノアミン含量・肝アルコール代謝機能について測定することにより、以下のことが見いだされた。
1、コカイン単回投与により、近交系マウスのアルコール嗜好性は減少した。しかし、コカイン投与1日後には回復したことから、アルコール嗜好性減少はコカインの急性効果であることが示された。
2、コカイン単回投与において、脳内ドパミン含量はアルコール前処置群で、コカイン投与2時間後のみ全脳、大脳皮質で増加したが、セロトニン、ノルアドレナリン系には変化は認められなかった。コカインによるアルコール嗜好性の減少は、脳内モノアミンのドパミン系が関与していることが示唆された。
3、コカイン1週間連続反復投与により、アルコール嗜好性は減少し、投与中止後、アルコール嗜好性は回復した。コカイン反復投与においては、アルコール嗜好性への長期的な影響は認められなかった。
4、コカイン単回、反復投与は血中アルコール消失率(in vivo)、肝ADH・ALDH活性(in vitro)に変化を及ぼさず、コカインによる肝アルコール代謝機能への影響は認めなかった。
アルコールなどの薬物依存形成機序については、中脳辺縁系から基底核を経て前脳に至るドパミン神経系と縫線核セロトニン神経系から成る脳報償系の関与が考えられており、今回の研究結果から、コカインによるアルコール嗜好性の低下は、前者がより強く関与していることが示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 上村公一: "アルコール嗜好性に及ぼすコカインの急性効果について" アルコールと医学生物学. 16. 120-123 (1996)

  • [文献書誌] 上村公一: "C57BL/6J系マウスにおけるコカインのアルコール嗜好性に及ぼす行動薬理学的研究" 日本アルコール・薬物医学会雑誌. 32(印刷中). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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