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1996 年度 実績報告書

パラコートの細胞毒性におけるNOの役割について

研究課題

研究課題/領域番号 08670504
研究種目

基盤研究(C)

研究機関川崎医科大学

研究代表者

富田 正文  川崎医科大学, 医学部, 講師 (50113197)

研究分担者 日高 和夫  川崎医科大学, 医学部, 講師 (00069064)
キーワード一酸化窒素 / パラコート / 活性酸素 / 細胞毒性
研究概要

スーパーオキサイド産生剤として知られるパラコート(PQ)の毒性メカニズムの解明を目的とし,A549細胞を使用してとくに一酸化窒素(NO)との関連を検討した。
A549にcytokineを処理すると培地中のnitriteは増加し,PQが共存すると,その値はさらに有意に増加した。このPQによるcytokine共存下でのnitriteの増加は24hr,72hrでのincubateではPQ0.2mMで最大値を示したが,0.2mM以上ではPQの毒性が強くなりその増加は抑えられた。またPQ単独ではこのnitriteの増加は観察できなかった。NO生成阻害剤としてL‐NMMA,L‐NAME,L‐NAの影響について検討した結果,培地中のnitriteは有意に減少したが,LDH漏出は逆に高くなる傾向を示し,NOが細胞からのLDH漏出(細胞障害)を抑制することを示唆した。一方,NO供与剤として知られるニトロプルッシドNa(SNP)を0.5mMまで培地に加え,多量NO存在下での影響を検討した。その結果,nitriteはPQの有無に関わらずSNPの用量に比例して増加したが,LDHの漏出はPQ(0.2mM)存在下にのみ認められ,NOとsuperoxideによるperoxinitriteなど毒性の高い新たなラジカル種の出現が示唆された。
次に,PQがcytokineによるiNOSmRNAの発現増加をさらに増強するか否かを検討した。Northern分析の結果,PQ単独ではiNOSmRNAの発現は観察できなかったが,cytokine存在下ではその発現をさらに増強することが分かった。このmRNAの発現は3hrで始まり6〜9hrでピークになり18hrではほぼ消失した。これらは,培地中のnitriteで得られる結果と非常によく相関するものであった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Masafumi TOMITA: "Studies on paraquat toxicity on deoxyribonucleic acid of cultured mammalian cells using flow cytometry." Redox Report. 2. 19-24 (1996)

  • [文献書誌] 富田正文: "培養細胞のパラコート毒性(III)" 日本法医学雑誌. 50. 50-〃 (1996)

  • [文献書誌] 富田正文: "パラコート毒性とNO(2)" 過酸化脂質研究. 20・1. 82-〃 (1996)

  • [文献書誌] Masafumi TOMITA: "Amplification of nitric oxide(NO)biosynthesis by paraquat in cytokine-stimulated A549 cells." Proceeding of 14th Meeting lnt.Assoc.Forensic Sci.,. (in press). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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