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1997 年度 実績報告書

末梢血樹状細胞による癌免疫療法の基礎及び臨床研究

研究課題

研究課題/領域番号 08670513
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京大学

研究代表者

高見沢 勝  東京大学, 医学部・附属病院分院, 講師 (40216784)

研究分担者 岩田 力  東京大学, 医学部・附属病院分院, 助教授 (00134578)
キーワード末梢血樹状細胞 / 幹細胞 / ワクチン療法 / 癌特異抗原 / 大腸癌 / B細胞悪性リンパ腫 / 慢性骨髄性白血病 / キラーT細胞
研究概要

樹状細胞を使って癌に対するワクチン療法を成功させるためには2つの要素が必要不可欠である。1つはいかに効率よく患者から樹状細胞を分離するかであり、もう1つはいかに癌特異抗原を分離精製するのかという点である。従来、末梢血樹状細胞は単核球の0.1-0.5%と考えられてきた。樹状前駆細胞のフェノタイプを明らかにし、それに基づいてフローサイトメトリーを使って白血球中の前駆細胞を解析したところ樹状細胞が従来の報告の10倍以上存在することが明らかになり、新たな樹状細胞の分離法を開発した。また、同じ前駆細胞の一部に極めて強い増殖能をもつ幹細胞が存在することを見いだし、これらが種々のサイトカインを含む培養液中で一次免疫応答を誘導するという機能を保持しつつ、長期にわたって培養できることを明らかにした。幹細胞を使えば少量の採血ですみ、アフェレ-シスを使う必要がないため大幅に患者の負担を軽減できる可能性が高い。癌抗原の精製についてはまだ、十分とは言えない。外科的に切除した癌の継代培養をvitroでおこなっているがその多くは途中で死滅してしまい安定したワクチン抗原とはなっていない。多くの大腸癌はMAGE1をmRNAレベルで発現しており、それの部分抗原(ペプタイド)は合成も簡単であるが、HLA拘束性があるため応用できる患者は限られている。B細胞悪性リンパ腫の患者から切除した腫瘍組織から腫瘍特異抗原であるイデイオタイプを分離する方法は確立しており現在、患者応用にむけて精製段階である。慢性骨髄性白血病にみられる新たな融合蛋白BCR/ABL由来のペプタイドを使って患者の白血病細胞を障害するキラーT細胞を誘導することに成功した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Masaru Takamizawa: "Dendritic cells that process and present nowinal autigens to naive T lymplscytes are derived yrom CD2^+ precursors." Journal of Immunology. 158. 2134-2142 (1997)

  • [文献書誌] 高見沢 勝: "樹状細胞を用いた免疫療法" 治療学. 31. 91-92 (1997)

  • [文献書誌] 高見沢 勝: "樹状細胞を用いた癌免疫療法" 小児内科. 29. 1031-1034 (1997)

  • [文献書誌] 高見沢 勝: "抗原提示細胞(樹状細胞,単球)の分離" 臨床免疫. 29. 32-39 (1997)

  • [文献書誌] 高見沢 勝: "antigen presenting cell(APC)の種類と機能" 小児内科. 29. (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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