研究課題/領域番号 |
08670514
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
河崎 寛 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80280957)
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研究分担者 |
細野 治 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50190210)
森本 幾夫 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30119028)
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キーワード | サイトカイン / レセプター / 箪クローン抗体 / 免疫学 |
研究概要 |
1.抗ヒトIL-12レセプター抗体の樹立:申請者はシグナルトラップ法に習いヒトIL-12レセプターβ_1(IL-12RB1)鎖細胞外領域とヒトTac抗原のキメラ蛋白をマウス細胞に導入した。そして発現を抗Tac抗体により確認して免疫源として用い、各種の箪クローン抗体をえた。(1)いずれも全長ヒトIL-12RB1遺伝子導入細胞およびPHA刺激ヒト末梢血より110kdのIL-12RB1鎖を免疫沈降した。(2)PHA刺激ヒト末梢血のIL-12に対する増殖反応を抑制する中和抗体、抑制しない非中和抗体がえられた。(3)フローサイトメーターによる解析からIL-12RB1鎖がCD4陽性およびCD8陽性活性化T cell NKcell,に発現していることを確認した。さらに、アビジンビオチン法による高感度認識法により、リガンドに低親和性とされる未刺激T cellにも発現していることをみいだした。このことは高親和性IL-12レセプターの形成には複数のレセプター鎖が必要であることを示唆した。(4)臍帯血においても同様の解析をおこなった。成熟末梢血同様PHA刺激臍帯血でIL-12RB1の発現を認めた。しかし新鮮臍帯血ではその発現は認められなかった。リンパ球の発生成熟過程を追求するうえで興味ある知見と考えた。 2.箪クローン抗体によるIL-12レセプターの解析:1.(3)でのべた如く高親和性IL-12レセプターの発現にはIL-12RB1鎖に加え新たな分子の存在が必須と考え、抗体によるレセプター架橋実験をおこなった。IL-12RB1遺伝子導入ヒト細胞から85kdの分子(p85)の共沈を認め、PHA刺激ヒト末梢血からも低シグナルではあるがp85の共沈を認めた。現在p85の同定のためアミノ酸配列決定に着手している。さらにp85はリガンド刺激により速やかにリン酸化されることも見い出した。IL-12による細胞内情報伝達系を担う分子の可能性が示唆された。
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