研究概要 |
1) HLAのhomozygous donor(A2402/A2402.B0702/B0702.Cw0702/Cw0702)の末梢血単核球層よりMiniMACS Separation systemによって抗CD3、抗CD4、抗CD8、抗CD19抗体のカクテルを使用し、T細胞、B細胞を除去した。nonT、nonB細胞のfractionをBalb/c miceに3度免疫し、ScreeningにはヒトNK細胞株NK92(A0301/A1101.B0702/B44031.Cw0702/Cw1602)を使用した。FACScanを利用し2000wellよりscreeningを行い、17抗体を作製した。3抗体(4-4-24-5,4-2-44-18,4-2-44-28)を解析したが、いずれもIgG1でNK細胞の一部とT細胞の一部に反応することが判明している。4-4-24-5抗体はEffectorをNK92とし標的細胞にK562細胞をおいたときの細胞傷害活性を約20%抑制した。 2) Killer inhibitory receptorのひとつであるLy-49Aはそのcytoplasmic domainにimmunoreceptor tyrosine based inhibitory motif (ITIM.YxxV))を有しH-2D^d、H-2D^kより抑制シグナルをうける。マウスのB細胞株A20にLy-49Aをtransfectし、B細胞受容体(BCR)とLy-49AのクロスリンクによってBCR刺激によるIL-2分泌がLy-49Aの発現レベルに比例して抑制されることを確認した。BCR刺激による細胞内カルシウムの上昇はほとんど影響を受けなかった。ITIMの機能に重要なtyrosineをphenylalaninに置換したmutant cloneY/F(FxxV)ではIL-2の部分的抑制が見られたのに対し、細胞内領域の欠損したcloneΔN37この抑制は全く認められなかった。チロシンリン酸化されたwild typeのLy-49AのみSHIPではなくSHP-1に会合したことから、ITIM内のtyrosineがSHP-1の会合に必要なことが確かめられた。Ly-49Aの抑制経路にはITIM/SHP-1に依存する経路としない経路があると考えられる。
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