研究概要 |
前年に引き続き真菌の菌体成分である(1→3)-β-D-glucanの生物学的作用、体内動態について検討した。Candida albicans IFO 1385,ATCC 18804より精製し^<125>Iでラベルしたβ-グルカンをNew Zeal and White Rabbitに静注後、経時的に採血し24時間観察した。静注したβ-グルカンは白血球および血小板数に殆ど影響を与えず、またTNF産生および脂質代謝への影響も無かったため、動物種を変えて検討すべくSwiss Websterマウスに2500μg/kg相当の大量のβ-グルカンを腹腔内投与した。しかしマウスの系においても全身状態や血球数に有意な変動は観察されず、今回使用したβ-グルカンの生物学的活性は殆ど見られなかった。ウサギに静注後のβ-グルカンのcatabolismを分子量との関連で検討するため、血清をgel-permeation chromatographyにて分画し、各々の画分の放射活性とファンギテックG-testによる測定を行った。静注前のβ-グルカンの分子量は79%が20万以上であったが、静注1分後と30分後にはその割合はそれぞれ34%と16%と急速に低下し、検出されるグルカンの大半は小分子量となった。この傾向はG-テストでの生物活性測定結果でも同様の傾向がみられた。部検でβ-グルカンの80%以上が肝で検出されたことを考慮すると、大分子量β-グルカンのが速やかに肝臓の網内系で処理されると考えられた。
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