対象と方法 全身性エリテマトーデス(SLE)患者10例(うち光線過敏症の既往があるもの5例)とコントロールとして健常人5例を対象とし、これらのヘパリン加末梢血よりT細胞を分離。 1×10^6/mlのT細胞浮遊液5mlをPetri dishに移し、UVランプ上で、波長302nm、強度8mW/cm^2のUVを30秒間照射。残り5mlは非照射コントロールとして用いた。 1)モノクローナル抗体Apo2.7を用いて、アポトーシスに陥るT細胞の割合を調べた。 2)UV照射T細胞をNP40で溶解し、ウエスタンブロット法を用いてJNK-1蛋白のリン酸化をみた。JNK-1蛋白は抗JNK-1抗体による免疫プロット法で確認した。 結果 1)30秒のUV照射によって健常人T細胞の約10%がアポトーシスに陥った。光線過敏症を有するSLEのT細胞ではさらに高率にアポトーシスに陥る傾向がみられた。 2)UV照射によってT細胞のJNK-1蛋白はリン酸化された。その程度は光線過敏症を有するSLEのT細胞で高い傾向にあった。 考察 光線過敏症を有するSLE患者T細胞は、UV照射によりアポトーシスに陥りやすく、その過程にJNK-1蛋白のリン酸化の亢進が関与していることが示唆された。
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