研究概要 |
1.全身性エリテマトーデス(SLE)、Sjogren症候群、健常人より血清を採取し、血清中のprolacin値を測定した。SLEおよびSjogren症候群では約20%に上昇がみられてが、臨床症状や疾患活動性との間には相関関係はみられなかった。 2.SLE、Sjogren症候群、健常人より、リンパ球を分離し、非刺激,PHA,IL-2,PMA等の刺激下で各種prolactin濃度に対するcytokine産生能検討した。健常人のPMBCを用いprolactinのINF-γ/IL-4の産生に対する影響では、IL-4は、prolactinの無添加時の939.8±751.0pg/mlより、prilactinの添加時には779.6【.+-。】668.4とやや抑制され、逆に、INF-γの産生は145.2【.+-。】63.4unitより210.6【.+-。】64.1へ上昇した。同様に原発性Sjogren症候群についても検討した。IL-4は、prolactinの無添加時の52.2【.+-。】14.0pg/mlより29.5【.+-。】9.8に抑制され、逆に、INF-γの71.9【.+-。】34.6から98.6【.+-。】43.7に有意に産生の上昇がみられた。これらのINF-γの産生の亢進と、IL-4の産生抑制の程度と血清prolactin値とは相関関係はみられなかった。 3.Sjogren症候群ではPRLによりTヘルパー細胞のTh1優位のヘルパーT細胞が誘導される可能性が推測された。 4.T細胞およびB細胞上のprolactin受容体の発現、発現調節の異常の有無を明らかにするため、prolactin受容体に対するmonoclonal抗体を作成するため、現在、Balb/cマウスに合成PRL受容体ペプチドを免役し、monoclonal抗体を作成中である。 Sjogren症候群の一部では、PLRが上昇し、その結果、Th1優位のヘルパーT細胞が誘導される可能性が推測されているが、PRLによるTh1細胞の誘導の機序を検討中である。
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