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1996 年度 実績報告書

tRNAおよびその関連蛋白に対する自己抗体の臨床的,病因的意義

研究課題

研究課題/領域番号 08670533
研究種目

基盤研究(C)

研究機関慶応義塾大学

研究代表者

大曽根 康夫  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20160492)

キーワードtRNA / 自己抗体 / リウマチ / 膠原病 / シェ-グレン症候群 / 全身性エリテマトーデス
研究概要

今年度はtRNAおよびtRNA関連蛋白に対する抗体の検出とその臨床的意義を検討した。
1,膠原病が疑われ抗核抗体検索を依頼された患者血清1472例を^<32>P-標識HeLa細胞抽出物を用いた免疫沈降法でスクリーニングした。その結果,tRNAを沈降する血清を40例見い出した。
2,^<35>Sメチオニン標識HeLa細胞抽出物を用いた免疫沈降法とHeLa細胞成分を用いた免疫ブロット法で抗原蛋白成分を分析した。その結果,14例は抗アミノアシルtRNA合成酵素(ARS)抗体陽性(抗Jo-1;4例,抗PL-7;1例,抗PL-12;3例,抗EJ;4例,抗OJ;2例)であった。
3,1で確認された40例の血清について,^<32>Pで標識後,フェノール抽出で脱蛋白したHeLa細胞tRNAを用いて免疫沈降法を行なった。その結果,tRNA自身を認識する血清を8例認めた。
4,(1)抗ARS抗体陽性患者は全例,多発性筋炎または肺線維症患者だった。
(2)抗ARS抗体以外の26例中19例は全身性エリテマトーデス(SLE)またはシェ-グレン症候群(SjS)で,ともに再発を繰り返す環状紅斑が特徴的であった。またSLEは非腎症が特徴的であった。
(3)tRNA自身に対する抗体が陽性である患者は全例,環状紅斑を呈するSLEまたはSjSであった。
以上,膠原病におけるtRNA沈降抗体はtRNA自身,ARSおよびその他のtRNA関連蛋白に対して多彩な反応性を示し,それぞれ特定の病像と関連することが示された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Matsumura M: "Novel aut oantib odies directed against the common tertiary configuration of transfer RNAs from patient with interstitial lung disease" Arthritis Rheum. 39(8). 1308-1312 (1996)

  • [文献書誌] Ohosone Y: "Spectrum and clinical significance of aut oantib odies associated with transfer RNAs(tRNAs)" Arthritis Rheum. 39(9). S40 (1996)

  • [文献書誌] 大曽根康夫: "自己抗体とは何か-病因,病態,病像との関連は-" シンポジウム免疫と炎症. 5. 51-57 (1996)

  • [文献書誌] 大曽根康夫: "自己抗原遺伝子" Biotherapy. 10. 1515-1519 (1996)

  • [文献書誌] 力石昭宏: "間質性肺炎と壊死性半月体形成性糸球体腎炎を認め,ミエロペルオキシダーゼに対する抗好中球細胞質抗体陽性であった1例" リウマチ. 36(6). 869-873 (1996)

  • [文献書誌] Konishi M: "Mixed-cryoglobulinemia associated with cutaneous vasculitis and pulmonary symptoms" Internal Med. 36(1). 62-67 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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