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1997 年度 実績報告書

フォスフォロチオエ-ト型オリゴヌクレオチドの蛋白結合性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08670540
研究種目

基盤研究(C)

研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

東海林 洋子  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (00235714)

研究分担者 水島 裕  聖マリアンナ医科大学, 難病治療研究センター, 教授 (40010409)
嶋田 甚五郎  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (50056701)
キーワードS-oligo / HSV-I / G4重鎖構造
研究概要

昨年度の研究結果から,フォスフォロチオエ-ト型オリゴヌクレオチド(S-oligo)の抗ヘルペス効果のメカニズムの一つに単純ヘルペスウイルスI型(HSV-I)の侵入を阻害している可能性が、示唆されたことから,HSV-Iの細胞への吸着阻害について検討した.NT58(5'GCG GGT GAG CCC C3')の配列を有するS-oligo並びにフォスフォジェステル型オリゴヌクレオチド(D-oligo)をHSV-I感染-15分前に細胞に作用させ,その後HSV-Iを4℃にて2時間感染させた.HSV-Iを洗浄した後,37℃にて24時間培養し,HSV-I量を測定した。S-oligoでは,明かなHSV-I吸着阻害効果が認められたものの,D-oligoではHSV-Iの吸着阻害効果は認められなかった.これより、S-oligoのHSV-Iの吸着阻害効果は、明かとなった.この配列はGrichな配列を含んでいることから,HSV-Iの吸着阻害効果が,S-oligoに由来するものか,連続したG配列に依存するものどうかについて検討した.連続したG配列を含む8merのS-oligoのHSV-I吸着阻害効果を検討したところ,濃度依存性にHSV-Iの吸着阻害が認められた.この時,アンチセンス配列でないにも関わらず,抗ヘルペス効果も認められた.更に,連続したG配列を崩したところ,HSV-Iの吸着阻害効果もなくなり,抗ヘルペス効果も消失した.これより,HSV-Iの吸着阻害効果は連続したG配列に依存していることがわかった.これらの効果は配列そのものより,S-oligoの高次構造に由来することも考えられ,CDスペクトラムにより,G4重鎖構造の有無を検討した.連続したG配列を有するS-oligoは,カリウムイオンの存在下で,G4重鎖構造をとることが明かとなった.連続したG連続を崩すことにより,G4重鎖構造はとらなくなった.これより,連続したG配列を含む場合は,G4重鎖構造をとり,この構造に起因して,HSV-Iの吸着阻害が起こり,抗ヘルペス効果を示すものと考えられた.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 東海林洋子,他.: "VEGFmRNAに対するアンチセンスDNAとヒト膵帯静脈細胞の管腔形成抑制効果をカチオン性リボソームが増強" Drug Delivery System. 12(3). 187-192 (1997)

  • [文献書誌] 東海林洋子: "遺伝子医薬品のドラッグデリバリーシステム." Antisense. 1(2). 50-56 (1997)

  • [文献書誌] Sato T., Shoji Y.,et al.: "Characterization,cell uptake,and subcellular distribution of DNA complexes with lipoglutamides having tetraethylene glycol tails." J.Biomaterial Science Polymenr Edition. 9. 31-42 (1997)

  • [文献書誌] 東海林洋子: "Gene therapyにおける製剤設計." 日本薬剤学会会報. 14(2). 6-7 (1998)

  • [文献書誌] Shoji Y.,et al.: "Limited usage of cationic liposomes as tools to enhance the anti-herpetic activities of oligonuclcotides in Vero cells infected with herpes simplex virus type I." Antisense and Nucleic Acid Drug Dev.(in press).

  • [文献書誌] 東海林洋子,他.: "オリゴヌクレオチドの抗ヘルペス効果-PCR法による判定-" 日本化学療法学会. (印刷中).

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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