研究課題/領域番号 |
08670540
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
東海林 洋子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (00235714)
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研究分担者 |
水島 裕 聖マリアンナ医科大学, 難病治療研究センター, 教授 (40010409)
嶋田 甚五郎 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (50056701)
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キーワード | フォスフォロチオエート / オリゴヌクレオチド / 抗ヘルペス効果 / 高次構造 / カチオン性リポソーム |
研究概要 |
Gが連続した8merのオリゴヌクレオチドが高い抗ヘルペス効果を示すことを前回示した。そして、高い抗ヘルペス効果がオリゴヌクレオチドがとる4重鎖構造と関連があることを示唆した。また、この時、連続したGを含むオリゴヌクレオチドが、ウイルスの吸着阻害効果が弱いながらも示すことが認められた。これより、これまで検討してきたオリゴヌクレオチドの中で強い抗ヘルペス効果を示す13merのオリゴヌクレオチドについても、高次構造を検討した。CDスペクトラムを測定したところ、明確な4重鎖をとっていることは明らかにはならなかったものの、何らかの高次構造をとっていることが示唆された。フォスフォロチオエート型オリゴヌクレオチドが蛋白との結合性を持つために、ウイルスの細胞膜への吸着をを阻害し、抗ヘルペス効果を示すことがメカニズムのひとつとして認められた。 さらに、カチオン性リポソームによる、効果増強を試みた。フォスフォジエステル型オリゴヌクレオチドはカチオン性リポソームにより、効果が増強したが、フォスフォロチオエート型オリゴヌクレオチドは必ずしも効果増強につながらなかった。この一因として、フォスフォロチオエート型オリゴヌクレオチドの示す抗ヘルペス効果のメカニズムにウイルスの吸着阻害が含まれているためと推察された。連続したGを含む場合はアンチセンスのメカニズム以外に、フォスフォロチオエート型オリゴヌクレオチドの持つ蛋白結合性の特性を念頭に入れてドラッグデリバリーシステムを構築する必要があることを喚起する結果となった。
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