研究概要 |
1.シェ-グレン症候群(SS)の口唇小唾液腺についてbcl-2プロト癌遺伝子産物について染色することにより、病変の強度と蛋白発現が相関すること、及びBリンパ球の出現と相関することを見い出した。血清中のリウマトイド因子(RF)イディオタイプ(Id)について測定し、われわれの作成した抗Id抗体(SF18/2)の反応蛋白が高く、末梢リンパ球にも発現していることが判明した(日本臨床免疫学会誌19:468,1996)。 2.SS患者口唇小唾液腺パラフィン切片よりDNAを抽出し、IgVHCDR3部分を増幅し、電気泳動にて単クローン性増生を50例中7例に認めた(Intern J Hematol 64:47,1996.)。また、腫瘤を認め摘出し、且つ反応性耳下腺炎を示した6例の組織中4例にIgVHCOR3の単クローン性バンドを認めた(日本リウマチ学会1996.5.23)。これらバンドについて塩基配列を決定したところ、合計25クローンの中に症例を超えて共通した配列が2グループに認められた。今までの報告例と比べると悪性リンパ腫や骨髄腫とのホモロジーが高かった。また、別の1例はbcl-2遺伝子の転座部位とのホモロジーが高かった。D遺伝子は偏りは認められず、J_H遺伝子はJ_H4が高かった。 3.SS患者末梢血DNAにはRF遺伝子としてよく使用されるVkIIIの胚遺伝子Vg(VkIIIb)とVk325遺伝子(VkIIIa)がSS患者で87.5%に再構成して発現していたが、その中の40%はVg遺伝子であることが判明した。
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