研究概要 |
クローン化培養胸腺筋様細胞からモノサイト系細胞分化増殖因子80k,100k因子を二種みいだしたところ、当該二因子のアミノ酸配列は、既存のモノサイト系分化増殖因子、M-CSF,GM-CSF等とは全く異なる新規因子であった。これらの二因子の作用は胸腺モノサイト系細胞にとどまらず、脳のミクログリアにも作用することから、脳内にも胸腺筋様細胞と類似の作用をする細胞の存在が考えられたのでスクリーニングしたところアストログリアが類似因子を産生していた。特に、アストログリアの100k相当因子は>200k分子として産生されていることがウエスターンブロット解析の結果判明した。コア蛋白部分の解析の結果、胸腺筋様細胞由来100k因子と脳アストログリア由来>200k因子は共に、40kのコアからなることが判明し、同一の遺伝子によってコードされていると考えられる。両者の分子サイズの差は結合しているグリコサミノグリカン鎖の数、または長さの相異によることが示唆される。 一方、80k相当因子の脳内における産生の可能性については現在詳細に検討している。
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