研究課題/領域番号 |
08670552
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
野村 文夫 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (80164739)
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研究分担者 |
中井 利昭 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (30049192)
野田 公俊 千葉大学, 医学部, 教授 (60164703)
磯部 和正 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (10151440)
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キーワード | ADPリボシル化反応 / フォスフォグルコムターゼ |
研究概要 |
細胞蛋白が受ける翻訳後修飾であるADPリボシル化反応はリン酸化と並ぶ反応としてその重要性が認識されつつある。我々は肝細胞の58kDa蛋白の内在性ADPリボシル化が長期飲酒後に著明に亢進することをすでに報告したが、その意義を知るためにはADPリボースの受容体蛋白の同定が必要となる。そこでラットのアルコール性肝障害モデルを用いて、この58kDa蛋白の分離・精製を試みた。 SD系雄ラットを用い、アルコール含有液体飼料による4-6週間のpair-feedingの後、密度勾配遠心法により肝細胞膜分画を分離精製した。可溶化蛋白を高速液体クロマトグラフィー(ゲル濾過、DEAE,CM)により精製し、SDS-PAGE,PVDF膜へのtransferの後、ADPリボシル化される58kDa蛋白のN末端アミノ酸配列を決定した。ADPリボシル化反応は既報のごとく、thymidineによりポリADPリボシル化を抑制した条件下で^<32>P-NADからのモノADPリボシル化をSDS-PAGE後のオートラジオグラフィーにより検出し、精製標品の場合は2次元電気泳動も併用した。 以上の検討により次の結果を得た。 1)長期飲酒後に肝の58kDa蛋白の内在性ADPリボシル化が亢進したが、この58kDa蛋白を精製しN末端アミノ酸配列を決定した結果、phosphoglucomutaseと同定された。 2)phosphoglucomutaseにADPリボースを転移する酵素活性は肝細胞膜分画に多く、長期飲酒後に著明な増加がみられた。
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