1.ウイスター系雄性ラットにtrinitrobenzen sulufonic acid(TNBS)を注腸投与することにより炎症性腸疾患類似大腸炎モデルを作製した 2.上記大腸炎作製前ラットにn-Butyric acidを連日一週間注腸投与し生理的食塩水投与群(対照群)との比較によってn-Butyric acidのTNBS誘発性大腸炎発生予防効果の有無を検討した (1)大腸炎の肉眼的検討:粘膜面を写真撮影してNIHイメイジ-グアナライザーを用い潰瘍面積を解析、対照群に比べ有意にn-Butyric acid注腸投与群では潰瘍面積の縮小を認めた (2)大腸炎の病理学的検討:大腸炎の中心的部位より病理標本を作成、HE染色にて炎症性細胞の浸潤の程度、出血の程度、粘膜下層の浮腫の程度をスコアー化総合してdamaging scoreとして算定し両群で比較検討したところ対照群に比べ有意にn-Butyric acid注腸投与群では低下していた (3)n-Butyric acidの大腸粘膜に対するcytoprotective効果の検討:n-Butyric acid及び生理的食塩水注腸投与後、潰瘍形成に至らない少量のTNBSを投与後PIXY法により粘膜の透過性を比較検討したところ対照群に比べ有意にn-Butyric acid注腸投与群では粘膜の過剰な透過性を抑制していた 3.今後の研究の展開:大腸炎の炎症性パラメイタ-を両群間で比較検討する (1)炎症惹起性サイトカインの測定と比較検討 (2)Myeloperoxidase activityの測定と比較検討
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