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1996 年度 実績報告書

Helicobacter pylori毒素VacAの遺伝子解析による分類

研究課題

研究課題/領域番号 08670562
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京大学

研究代表者

吉田 晴彦  東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (60240305)

研究分担者 金井 文彦  東京大学, 医学部・附属病院, 医員
加藤 直也  東京大学, 医学部・附属病院, 医員
白鳥 康史  東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (70196624)
キーワードHelicobacter pylori / VacA / vacuolation / sequencing / antibody
研究概要

わが国において,Helicobactor pylori(HP)感染は高頻度でみられるが,宿主側の胃粘膜障害の程度は症例により様々である.HP持続感染による胃粘膜萎縮と胃癌発生との関連が議論されるなかで,HP感染症の病態規定因子の解明は特に重要であると考えられる。そこで本研究では,HPの一部の株が持つ細胞空砲化毒素であるVacAと患者病態との関連性を検討している.
平成8年度の検討により、わが国のHP臨床分離株ではVacA陽性株が圧倒的に多いことが示された.すなわち,(1)VacA遺伝子S領域の塩基配列解析により,わが国のHP臨床分離株のほとんどは毒素分泌型のS1タイプであること,(2)培養細胞を用いた検討において,大部分のHP分離株培養上清に細胞空砲化活性がみられること,(3)HP感染者血清中に特異的な抗VacA抗体が高率でみられることが判明し,また,(4)いずれの方法でみてもVacA陽性率は宿主側の病態,すなわち胃粘膜萎縮の程度や胃・十二指腸潰瘍,胃癌の有無などとは関連無く高値であった.これらの成績は既に学会などに発表し,現在論文化しつつある.
従来の海外からの報告では,VacA陽性株は十二指腸潰瘍症例などから高頻度に分離されるといわれているが,今回本研究で得られた成績からは,少なくともわが国において,この毒素が宿主病態を規定する主要因子であるとは考えにくい.ただし,VacAが高頻度で陽性であることが,わが国のHP感染症の病態を特徴づけている可能性は考えられる.このような観点も含めて,本研究を続行している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 小椋啓司、金井文彦、前田悦、白鳥康史、小俣政男: "VacA遺伝子の多様性と疾病" 内科. 78巻1号. 71-75 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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