研究課題/領域番号 |
08670565
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
榎本 信幸 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (20251530)
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研究分担者 |
田中 雄二郎 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (70236644)
黒崎 雅之 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (10280976)
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キーワード | C型肝炎ウイルス / インターフェロン / NS5A遺伝子 / 酵母 |
研究概要 |
我々は、HCVのinterferon抵抗性がHCVのNS5A領域のアミノ酸配列によって決定されることを解明してきた。本研究では、このinterferon抵抗性とNS5Aの関連のメカニズムの解明および臨床応用を目的とした。 NS5Aと相互作用する肝細胞蛋白はHCVのinterferon抵抗性に重要な役割をはたしていると考えられ、本研究ではyeast two-hybrid systemを用いてこの蛋白のscreeningを行った。すなわち、NS5Aを酵母GAL4のDNA binding domainとの融合蛋白として発現させ、これをtargetとしてGAL4 activation domainと融合させたhuman liver cDNA libraryをscreeningした。その結果、Rac,RabなどのGTP結合蛋白質、Grb2などのsignal伝達分子、proteasomeなどがNS5Aと相互作用しうることが判明した。今後、これらの蛋白質とinterferon抵抗性の関連の解明を行う予定である。 NS5Aのアミノ酸変異の臨床的意義については、まずHCV-1bについて更に多数例での解析を進めた。その結果、NS5A2209-2248にアミノ酸変異が増加するほどinterferonの著効率は増大し、この領域を治療前に検索することが治療効果の予測に有用であることが判明した。さらに、HCV genotype 2についても、NS5Aとinterferon治療効果の関連を検討した。HCV-2においても、HCV-1bと同様にNS5Aにアミノ酸変異が増大するほど血中HCV-RNA量は低下し、interferonに対する感受性は増大した。興味深いことに、HCV-2bの著効率はHCV-2aに比して有意に低かったが、これはHCV-2bではNS5Aの変異の少ない症例がHCV-2aよりも高頻度に認められることが原因と考えられた。
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