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1998 年度 実績報告書

レチノイドによる肝発癌監視・制御の遺伝子機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08670576
研究機関岐阜大学

研究代表者

森脇 久隆  岐阜大学, 医学部, 教授 (50174470)

研究分担者 奥野 正隆  岐阜大学, 医学部, 助手 (10204140)
キーワードレチノイド / 肝癌 / 化学予防 / クローン除去 / レチノイドX受容体 / 遺伝子変異 / 分子標的
研究概要

レチノイドによる肝発癌抑制をテーマとして、一貫して研究を進めてきた。その結果、根治療法後の二次肝癌の発生を有意に抑制できることを1996年に発表し得た(N Engl J Med 334:1561-1567,1996)。またその作用機序は、分化誘導とアポトーシス誘導によるものであり、前者は核レチノイドX受容体を介するものであることを従来明らかにしていた。本年度の重要な成績は、以下の2点である。
1 臨床成績のさらに長期間の検討により、非環式レチノイドが二次肝癌の発生を抑制するのみならず、それにより患者の生命予後をも改善することを明らかにした(N Engl J Med,(in press)1998)。
2 その作用機序に関しては、非環式レチノイドの責任受容体である核レチノイドXレセプター(RXR)のプロセッシングに肝癌組織では変異を来していること、分化誘導後のゆっくりしたアポトーシス(slow apoptosis)はカスパーゼを介して起こることが明らかとなった。
これらの知見は、変異を来したRXRという分子を標的として、そのリガンドである非環式レチノイドを用いることにより、アポトーシスからすり抜けたガン細胞が再度分化してアポトーシスするようにするという、大きな発癌予防の戦略を支持するものとして、極めて重要である。現在、RXRのプロセッシング異常の原因について、DNA変異、スプライシング異常の両面から解析を進めている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Muto Y.: "Prevention of second primary tumors by an acyclic retinoid,polyprenoic acid,in patients with hepatocellular carcinoma." Digestion. 59. 89-91 (1998)

  • [文献書誌] Okuno M.: "Protease inhibitors suppress TGF-β generation by hepatic stellate cells." J.Hepatol.29. 1031-1032 (1998)

  • [文献書誌] Muto Y.: "Prevention of second primary tumors by an acyclic retinoid in patients with hepatocellular carcinoma" N Engl J Med. (印刷中). (1999)

  • [文献書誌] Okuno M.: "Increased 9,13-di-cis-retinoic acid in rat hepatic fibrosis : Implication for a potential link between retinoid loss and TGF-β mediated fibrogenesis in vivo" J.Hepatology. (印刷中). (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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