研究課題/領域番号 |
08670605
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
渡辺 直樹 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10158644)
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研究分担者 |
八木橋 厚仁 札幌医科大学, 医学部, 助手 (40260757)
杉山 敏郎 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00196768)
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キーワード | ヘリコバクター / 胃粘膜萎縮 / 腸上皮化生 / 胃癌 / テロメラーゼ |
研究概要 |
胃癌患者6例の手術摘出標本を対象とし、慢性萎縮性胃炎、腸上皮化生、胃癌に相当する組織から、CHAPSを含む溶解バッファーを用いテロメラーゼおよびDNAを抽出した。テロメラーゼ活性はTRAP法で解析し、さらに、H.pyloriウレアーゼα鎖およびH.pylori cytotoxin associated geneA(cagA)、picA/Bのそれぞれを増幅するプライマーを用いてPCR法を行い、H.pylori感染の有無、cagAおよびpicA/B遺伝子の有無を検討した。その結果、萎縮性胃炎2例(33.3%)、腸上皮化生3例(50.0%)および胃癌5例(83.3%)の各組織で、テロメラーゼ活性が検出された。H.pyloriは6例中3例(50.0%)に陽性で、これらの症例では全例cagAおよびpicA/B遺伝子が発現していた。H.pylori感染陽性症例の胃癌組織では全例(3/3)、腸上皮化生組織では2例(66.6%)でテロメラーゼ活性が検出された。一方、H.pylori感染マウスモデルの胃粘膜組織におけるテロメラーゼ活性を調べたところ、対照とした非感染マウス胃粘膜にもテロメラーゼ活性が検出されたが、感染マウスではその活性は増強していた。平成9年度は症例数をさらに増やし、同時にH.pylori感染マウスモデルにおける解析を進めることにより、H.pyloriの胃癌発癌過程における役割とその分子機構を明らかにする予定である。
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