研究概要 |
1,横浜市立大学医学部第2外科,稲田登戸病院および藤沢市民病院より供与された33症例の胃癌切除標本についてCGH(Comparative Genomic Hybridization)を用い,遺伝子発現異常について検索した.その結果胃癌細胞の分化度(分化型,未分化型),進行度(stage分類)により,遺伝子異常に相違があることが示唆された.この結果については,平成8年度第93回日本内科学会講演会および平成8年度第82回日本消化器病学会総会にて発表した.現在Clinical Cancer Researchに投稿中である. 2,現在,内視鏡的に採取した,胃癌,胃腺種,大腸癌,大腸ポリ-プについてもCGHを用いた遺伝子発現異常の検索を行なっている.この結果と上記胃癌切除標本での結果を総括,検討することにより,CGHを用いた遺伝子診断への応用について検討する予定である. 3,副腎腫瘍(良性腫瘍および癌)についてもCGHを用いた遺伝子異常検索を既に行なっており,これまでに良性腫瘍5症例,癌10症例について検討し,ホルモン産生能の違いにより遺伝子発現異常に相違がある可能性が示唆されている.この結果については厚生省特定疾患内分泌系疾患調査研究班分科会副腎ホルモン産生異常症調査研究班平成8年度公開講座にて発表した.現在症例数を増やし,より詳細な検討を行なっており,その結果については平成9年度第94回日本内科学会講演会,平成9年度第70回日本内分泌学会学術総会にて発表予定である.
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