研究課題/領域番号 |
08670612
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
福井 博 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (80145838)
|
研究分担者 |
栗山 茂樹 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (50244710)
植村 正人 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90151836)
菊池 英亮 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (50214747)
|
キーワード | エンドトキシン / アルコール / 急性肝不全 / 肝硬変 / マクロファージ / TNF |
研究概要 |
平成8年度には各種肝障害モデルにおけるマクロファージ(Mφ)機能をin vivo実験、in vitro実験で検討した。すなわち、慢性エタノール投与ラット、ガラクトサミン(GalN)投与急性肝不全ラット、チオアセタマイド投与肝硬変ラットにおけるエンドトキシン(Et)の体内動態と血中TNF活性の推移を検討し、さらにこれら肝障害ラットから採取したKupffer細胞、脾MφについてEtの貪食能とTNF産生能を測定した。慢性エタノール投与ラットではEtクリアランスはむしろ増加し、Kupffer細胞のEt貪食能も亢進していたが、これにさらに大量のエタノールを過重負荷するとEtクリアランスは低下し、脾MφにおけるEt処理の結果TNFの著増とGPTの上昇を認めた。GalN急性肝不全ラットでは肝へのEt集積がプラトーに達すると脾へのEt集積が増加し、それに伴い、TNF、GPTの著増がみられた。この際、Kupffer細胞のTNF産生能は一過性に増加したのみでTNF産生能は低下傾向を示したが、脾MφのEt処理能、TNF産生能は持続的に増強した。また、肝硬変ラットでは、肝でのEt処理能、Etクリアランスが低下しており、脾、腎へのEt集積の増加と血中TNFの上昇を認めた。その後、肺Mφ、腹腔Mφ、静脈血単核球の採取に成功したので、現在、新たな各種肝障害実験系でKupffer細胞、脾Mφとの対比のもとに、体内各MφのTNF産生能をmRNAレベルで検討している。
|