研究概要 |
従来から用いてきたラット下垂体腺腫の細胞系(GH_4 cell)に,CaPO_4 coprecipitation法により,ネオマイシン耐性サイトメガロウイルスプロモーター(pCMVneo)とヒトガストリン遺伝子(5'側1300塩基対及びすべての3つのエクソンを含む3'側の2000塩基対)を同時にトランフェクションすることによりヒトガストリン遺伝子を発現させた細胞系を合成した。これらの細胞系を用い,PGE2で刺激濃度及び時間を変えて,細胞を刺激した後、RNAを抽出し、ヒトガストリンのエクソンIIIを含むriboprobeとハイブリダイズしてNorthern blots法を行い,RNA量をデンシトメトリーにて解析した。10^<-4〜-5>Mの高濃度のPGE_2刺激によりガストリンの遺伝子発現が50%に抑制された。 ガストリンのプロモーターの上流領域を5'側、-1300塩基より-40塩基まで徐々に短縮したreporter constructsをサブクローニングした。1300GASLUCは、ヒトのガストリン遺伝子を制限酵素(EcoRI、PstI)により切断し、この断片をプロモーターを欠失したLuciferase vector (pGL2-basic、Promega社)を用い,Lusiferase geneの上流に組み込むことによって合成した。600、240GASLUCはそれぞれN col、PVUII制限酵素により1300GASLUCから合成した。それ以外の215-40GASLUCは、ガストリン遺伝子の5'側及び3'側にそれぞれprimerを作成し、polymerase chain reaction (PCR)法によって合成した。すべての5'側primerは最初の9塩基にXhoI siteを3'側primerはHindIII siteを設定し、Oligosynthesizerにより合成しこれらの制限酵素部位を利用し合成した。これらのreporter constructsのガストリン遺伝子配列はdideoxy sequence analysis法により確認した。 一方,EGFおよびphosphatase inhibitorであるOkadaic acidでGH_4細胞を刺激した後,核蛋白を抽出し,ガストリンプロモーター領域のEGF respose element (gERE)を^<32>Pで標識したプローブを用いgel shiftsを行った。EGFおよびOkadaic acid両者の刺激によりgEREに結合するSp1蛋白の著明な減少を確認した。
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