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1997 年度 実績報告書

ヘリコバクター・ピロリ感染と胃粘膜の老化、発癌リスクに関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 08670619
研究機関独協医科大学

研究代表者

島田 忠人  獨協医科大学, 医学部, 助教授 (10206170)

研究分担者 寺野 彰  獨協医科大学, 医学部, 教授 (50155470)
平石 秀幸  獨協医科大学, 医学部, 助教授 (00199035)
キーワードヘリコバクター・ピロリ / 胃癌 / 老化 / 活性酸素
研究概要

ヘリコバクター・ピロリ感染は慢性胃炎、消化性潰瘍の主因であり、長期にわたるヘリコバクター・ピロリ感染の持続は、胃癌、あるいは胃MALT(mucosa-associated lymphoid tissuue)リンパ腫の発生とも関連している可能性が強いと考えられている。胃粘膜の粘膜免疫機能は不十分であるため、ヘリコバクター・ピロリ感染により生じる胃粘膜での炎症・免疫反応は、ヘリコバクター・ピロリを胃粘膜から除去することができない。それのみならず、副次的にこれらの炎症反応の持続により胃粘膜上皮が傷害を受けたり、あるいは胃粘膜上皮細胞機能が変調をきたすなどホスト側にとって不都合に作用している可能性が少なくないと思われる。本研究では、ヘリコバクター・ピロリ感染による胃粘膜での炎症・粘膜免疫反応に際して、胃粘膜局所における産生量が著しく増大している活性酸素代謝産物の胃粘膜上皮細胞機能に与える影響を検討した。これらの研究の結果、過酸化水素などの活性酸素代謝産物により胃粘膜上皮細胞においてNF-_KBなどの転写因子が活性化されており、それにともないinterleukin-8などの遺伝子発現が亢進していることが明らかとなった。また、炎症性サイトカインなどにより刺激されたinterleukin-8の発現は抗酸化剤により抑制されることも明らかとなった。Interleukin-8はヘリコバクター・ピロリ感染時に炎症を惹起する中心的なケモカインであるが、細胞内外の酸化還元環境によりその発現が大きく影響されることは、ヘリコバクター・ピロリ感染における胃粘膜の老化、癌化の問題を考える上でも重要であると思われた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 島田忠人: "Helicobacter pylori感染と胃MALTリンパ腫" GI Research. 5. 193-199 (1997)

  • [文献書誌] 島田忠人: "Helicobacter pyloriと消化性潰瘍疾患遺伝子診断" 臨床と微生物. 24. 297-305 (1997)

  • [文献書誌] 島田忠人: "H-pylori(-)淡瘍の治療" 消化器内視鏡. 9. 1079-1084 (1997)

  • [文献書誌] 島田忠人: "Helicobacter pyloriの産生する空胞化サイトトキシン" Helicobacter Research. 1. 364-372 (1997)

  • [文献書誌] 島田忠人: "H.pyloriの遺伝子診断" 総合臨床. 46. 2505-2508 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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