研究課題/領域番号 |
08670621
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
織田 正也 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20129381)
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研究分担者 |
船津 和夫 慶應義塾大学, 医学部, 兼任講師 (00129644)
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キーワード | 原発性胆汁性硬変(PBC) / 胆管破壊機構 / cytokeratin / 胆管上皮細胞 / PtK_2細胞 / cytokeratin M630 / 酵素抗体間接法 / in situ hybridization |
研究概要 |
平成8年度の研究はPBCにおける胆管破壊機構の免疫細胞化学的解明を目的にcytokeratinの亜分画であるCK1(52kD)に対する抗CK1モノクローン抗体を作製し、PBC患者生検肝組織内におけるCK1の局在を免疫組織化学的に究明した。更に免疫電顕、in situ hybridization組織化学法によりm-RNAレベルでの観察を試みている。1)継代培養細胞株PtK_2からcytokeratinを抽出し、Balb/cマウスに免疫して得た脾細胞をmyeloma cell line P3U1と融合させてhybridomaを作製した。抗cytokeratin抗体を産生するhybridomaを選択してマウス腹腔に注入し、腹水から抗cytokeratin抗体を得た。得られた抗cytokeratin抗体は2種類あり、各々PtK_2細胞から抽出されるcytokeratinの2つの亜分画であるCK1とCK2(45kD)に一致することがimmunoblot法で確認された。この抗CK1抗体を蛍光抗体間接法でPtK_2細胞に反応させると、細胞質内の中間径フィラメントに一致して特異蛍光が認められ、PtK_2細胞由来のcytokeratinに対する特異抗体であることが確かめられた。2)PBC患者および対照として胆石症患者生検肝組織より凍結切片を作製し上述の抗CK1抗体を用いた免疫蛍光および酵素抗体間接法で観察すると、CK1の局在を示す特異蛍光なしperoxidase陽性反応は門脈域の胆管上皮細胞内に限局して認められ、肝動脈枝、門脈枝、類洞、肝静脈枝の血管内皮細胞内や肝細胞内には証明されなかた。また、DAKO(USA)の作製したcytokeratin M630(66.57kD)の局在との比較、さらに免疫電顕法による超微形態学的な局在の観察を進めている。3)CK1アミノ酸配列を決定してoligonucleotide probeを作製し、PBCおよび胆石症患者からの肝生検組織凍結切片でhybridizationを行い、autoradiographyによって観察することでmRNAレベルでのCK1の局在を証明するため研究を進めている。
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