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1998 年度 実績報告書

HCV抗体陽性肝硬変患者における薬物遺伝学的人種差(日本人vs米国人)

研究課題

研究課題/領域番号 08670629
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

大西 明弘  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00194225)

研究分担者 小坂 和宏  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (30246384)
村上 重人  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20219893)
キーワード肝細胞癌(HCC) / 慢性C型肝炎 / 肝硬変 / 人種的差異 / 解毒 / 人種的多型 / genotype
研究概要

肝細胞痛(HCC)は近年日本では著しく増加しており,その背景に慢性C型肝炎,肝硬変との合併が大きな要因であると報告されている。我が国のいくつかの報告をまとめると,HBsAg(-)のHCC患者では,66-94%がHCV抗体(+)であった。米国では多くのC型肝炎患者はいるもののHCCの発生は日本と比べ低率である(HBsAg(-)のHCC患者では,40%以下がHCV抗体(+))。-1上海ではHCCの発生が増加しており,B型肝炎とaflatoxin Bが発生の要因と考えられている。こうした背景はHCC発生に人種的差異あることが想定され,癌化の過程には諸種の環境物質が関与していることが想定される事から,解毒に関わる特にP450の遺伝的多型性が果たして関わっているのかについて,米国との共同研究に我々は現在協力実施中である。この中でHCC(+)/(-)のC型肝炎患者及びコントロール患者にDrugcocktail Studyを実施した。米国での報告(Pittsburgh cocktail approach.Frye RF,eL al.ClinPharmacol Ther 1997;62:365-76)はこの前段階のものであり,従来報告されている結果つまり健常人と肝硬変(HCV(+))の群別比較では,polymorphismに差はないと言う結果であった。この点を更に日本人で調査するため,最も顕著な差(Asian vs.Caucasian)があると考えられているDrug metabolizing enzyme CYP2C19についてGenotype(Exon 4,5)より研究した。その結果,肝硬変30例における検討の結果,Extensive Metabolizer 70%,PoorMetabolozer 30%という結果であった。この結果は健常者120例とほぼ一致する。今後Poor Metabolozerの臨床経過がExtensiveと変わりうるのか,肝機能増悪,肝癌発生度合いに違いがあるのかを見ていく必要があると思われた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Murakami S,et al.: "Hepatic denervation ameliorates sodium and water retention in experimental cirrhosis in rats" Dig Dis Sci. 42. 2292-2298 (1997)

  • [文献書誌] Nagai N,et al.: "Pharmacokinetica and polymorphic oxidation of dextromethorphan in a Japanese population" Biopharm Drung Disposi. 17. 421-433 (1996)

  • [文献書誌] Ohnishi A,et al.: "Prostaglandin production in cirrhosis and portal hypertension-experimental and clinical study" Hepatology Res. 131-141 (1997)

  • [文献書誌] Ohnishi A,et al.: "Careers in clinical pharmacology: present status and future academic perspectives in Japan" Trends Pharmacol Sci. 17. 45-47 (1996)

  • [文献書誌] Reginald F Frye,et Al.: "Validation of the five-drug “Pittsburgh cocktail"approach for assessment of selective requlation of druometabolizing enzymes" Clin Pharmacol Ther. 62. 365-376 (1997)

  • [文献書誌] Nasu K,et al.: "Genetic analysis of CYP2C9 polymorphism in a Japanese population" Pharmacogenetics. 7. 405-409 (1997)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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